カチン!としたら最後。夫婦喧嘩のゴングが鳴る
結婚して20数年…。
うちほど夫婦喧嘩が多い夫婦も珍しいんじゃないかっていうほど、場数を踏んできました。
あとから冷静に考えてみると、本当にささいなことや、実にくだらない内容のほうが断然多いことに気づきます。
ですが子どもができてからというものは、時と場所を考えて(それまで考えてこなかったことが問題…)、
自分のボルテージをコントロールするようになりました。
「ぬぬぬ…」と思っても、子どものいる時はガマン、ガマン。
怒りをぐっとこらえ、おさまりつかないイライラは甘いものでも食べて、吸って~吐いて~と深呼吸…。
まぁ、それでその場は大抵おさまるようにはなったのですが、この、一時の怒りをぶつけずに飲み込み続けていると、自分でも気づかないうちに大きなストレスとなり、蓄積されたものがバーン!とあふれ出てものすごい大喧嘩になるという悪循環があるのも事実です。
夫婦で会話を始めたら、次第に全部“喧嘩腰”
例えば、ある日曜日の昼のこと…
まぁ、最初は子どもの目もあることだし、おずおずと意見のような口ぶりで話していたものの、
だいたい私のほうがガマンが足りず、あっという間に口調が喧嘩腰(笑)
最終的には声も荒がるし、
夫は絶対謝らないし、
子どもはわんわん泣くし…
リビングはちょっとした地獄絵図。
我が家の場合、どちらかが黙り込むということなどないので、またこれが始末の悪さの原因。
一方でさんざんギャンギャンやりあった割に、数日経てば、私たち夫婦は何事もなかったように日常に戻ります。
夫は日々会社に勤めてあくせく働き、私も3人の子の面倒事や家の雑務、自分の仕事などに一日はあっという間に流れ、
正直、数日前の大喧嘩はいったいなんだっけ…?ということも往々にしてあるほどです。
そもそも私たち夫婦の喧嘩は、くだらない内容が常なので、
夫婦喧嘩というリングで上げるだけ上げたボルテージも、下がってしまうと途端にばかばかしく思えてくる。
だったら初めから、カチン!とくるのをこらえればいいのに…とも思うのですが、
まぁそこが「人間だもの。」ということで、なんら夫婦としての成長も遂げられずにいるのです。
しかし、子どもの口にフタはできない…
ところが夫婦喧嘩したことなどすっかり忘れ、私が外でご近所ママたちと「オホホホ~~~!」とやってる時に、
娘(5歳)は「真実の剣」を振りかざして私を成敗するかのようにやってきます。
娘の容赦ない「暴露」…。
純粋でまっすぐな瞳を大人に投げかけ、5歳児ならではの正直すぎるほど正直な「でね、私泣いちゃったの…」という、
「私ってちょっとかわいそうでしょ?」アピールも抜け目なく、
私はただただ、「あはは…」と乾いた細い声で笑うだけで、どんなホラー映画よりも私を凍らせてくれるのです!
周りの奥様方もあっという間に娘の実録リポの虜になり、
「あらまぁ~。で?そのあとママはなんと?…」などと言いだし、
私はそこにいることなどお構いなしの幽霊扱い。
前のめりでグイグイ「ほほぉ~」とうなづく奥様たちにますます気をよくする娘はどんどん調子に乗り、
話も若干盛ってるんじゃないかぁぁ??という始末です…。
「もうやめよう…」自分に誓う
さんざん恥をかいたあとに、少し考えたことがあります。
娘の暴露は、「言っちゃいけません!」と言うべきか否かです。
娘の振りかざした「真実の剣」は事実を伝えた手段の一つです。
両親が喧嘩する姿は、子ども心に映った「大人の醜さ」でもあり、恐怖とも感じるでしょう。
私たちが「くだらないことでした夫婦喧嘩」も子どもにとっては、
大人同士が理性を忘れ、声を張り上げる光景は、脳裏に焼き付き恐怖となり、
誰かに話すという行為で怖かったという気持ちを軽減させる手段だったのではないだろうか、と思うのです。
根本的な問題は、人に「言っちゃいけません」というよりも、
我が家の場合は「子どもの前では絶対に喧嘩をしないこと」だと思っています。
それは、人様に夫婦喧嘩を実況される恥ずかしさ云々だけでなく、
子どもの記憶に残るほどの恐怖をこれ以上与えてはいけないという、
親としての資質という大きなテーマを娘に投げかけられたような気持ちになりました。
思いだせば私だって、子どものときに見た両親の夫婦喧嘩は、「怖かった」という記憶ですものね…。
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