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V2、大関取りに暗雲か——。

夏場所、史上最速の優勝を果たし、すっかり人気者になった小結大の里(二所ノ関部屋)が、6月7日に24歳の誕生日を迎えた。

前日の夜、部屋の力士たちからプレゼントを渡された大の里は上機嫌だったが、5日には大きな期待がかかる名古屋場所(7月14日初日、ドルフィンズアリーナ)に向け、「優勝の余韻に浸るのはもう終わり」とコメント。気持ちを切り替えることに専念している様子だった。

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ただ、こうした発言が飛び出したのも無理はない。6月1日付で幕内の友風、十両に昇進したばかりの嘉陽ら8人が中村親方(元関脇嘉風)とともに転籍したからだ。

二所ノ関親方と中村親方は険悪

「大の里の初優勝で盛り上がっているときに出ていく、というのはただごとではない。師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)と、中村親方の仲が険悪だったということですよ。ただ、中村親方は2年3カ月前に押尾川部屋から合流したときから、いずれ出ていくと見られていたため致し方ないが、大の里にとってはショックでしょう。中村親方、友風、嘉陽、幕下の宮城、三段目の和気の里らは同じ日体大出身。気心の知れた仲間がごっそりいなくなったワケです」(協会関係者)

また今回の騒動では、とりわけ、嘉陽が抜けたことが大きいとみられている。

年齢は1つ年長だが、二所ノ関部屋に残留することになった白熊とともに新潟県糸魚川市の能生中、県立海洋高、日体大と大の里とまったく同じコースを歩んだ公私共に心を許す仲。

夏場所中も、毎晩、白熊を含めた3人で夜食を食いに近所の回転すし店などに出かけるのがルーティーンになっていた。

「もう一つ、大きいのが稽古面です。二所ノ関部屋は茨城県阿見町の陸の孤島のような場所で、どうしても部屋の中だけで稽古することが多くなりますが、残った稽古相手は同じ右四つの白熊だけ。大の里にとって、突き、押し相撲の友風や嘉陽らがいなくなったのは痛すぎます」(担当記者)

いろんな意味で、来場所は大の里の真価が問われる場所になりそうだ。