(画像)Anton Veselov / Shutterstock.com

ロシアのプーチン大統領が、24年ぶりに北朝鮮を訪問した裏には「隠された狙いがある」と外交筋でささやかれている。

6月19日午後に開かれた首脳会談では、金正恩朝鮮労働党総書記が「ロシアのすべての政策を無条件で支持することを、改めてこの場で明言する」と宣言。

これに対し、プーチン氏は「ロシアは、アメリカとその同盟国に押しつけられてきた覇権主義的、帝国主義的な政策と闘っている」と応え、アメリカに対抗する姿勢を鮮明にした。

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両国首脳の言葉通り、このプーチン氏の訪朝は、軍事と経済の連携強化にある。

「北朝鮮は現在、ロシアに砲弾などの武器を提供してウクライナへの攻撃を側面支援し、ロシアは北朝鮮にミサイル技術などを提供しています」(軍事評論家)

また、北朝鮮はミサイル発射や核実験により国連安全保障理事会の制裁対象となっているが、ロシアも2022年のウクライナ侵攻以来、欧米や日本など西側諸国からの経済制裁が続いている。

そのため、これに対抗する連携の強化が何より重要というわけだ。

真の目的は“王朝の継承”について学ぶこと!?

だが、戦争中のプーチン氏がわざわざ北朝鮮を訪れ、正恩氏と会談する狙いはそれだけではないという。

ロシア事情にも詳しい安全保障アナリストが解説する。

「実は“王朝の継承”について学ぶことが、最大の目的と言われています」

実は、プーチン氏と正恩氏には共通点がある。いずれも独裁体制にあることと、娘がいることだ。

「両国とも、世襲によって権力を娘に引き継ぎ、それぞれの国で“女帝” が誕生する日も近いと話題になっているのです」(同)

にわかに信じがたい話だが、両国の目論見を裏付ける極めて重要な動きが、ここにきて表面化し始めている。

プーチン氏は、これまでプライベートに関して徹底した秘密主義を貫いてきたが、今年の6月にロシアのサンクトペテルブルクで開かれた国際経済フォーラムに、なんと2人の娘が出席したのだ。

「プーチン氏は現在、元新体操の女王、アリーナ・カバエワ氏と愛人関係にあるが、この2人の娘は、客室乗務員出身で13年に離婚したリュドミラ元夫人と間に生まれた子だとみられています」(同)

長女のマリヤ・ボロンツォワ氏(39)はサンクトペテルブルク大学で生物学を、その後モスクワ州の大学で医学を学んだ。

「日本語も堪能で、ロシアの科学振興協会幹部として参加した今回のフォーラムでも、『ハジメマシテ、コンニチワ』『ロシアニイラッシャイマセ』と日本のメディアに話しかけていたほどでした」(同)

また、大手紙外信部記者によれば、次女のカテリーナ・チホノワ氏(37)もサンクトペテルブルク大学で日本語を学んだとされる。

こちらは製品などの国産化を進める国家プロジェクトを率いてフォーラムに出席したという。

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ロシアで高まるクーデターの危険性

公に娘の存在を認めてこなかったプーチン氏がここにきて突如、2人のお披露目をしたために、“世襲説”が急浮上し始めているというわけだ。

ロシアウオッチャーが、こう推測する。

「プーチン大統領は通算5期目に入り、最長で36年(83歳)まで在任可能です。ただ、事実上の終身大統領となったことが逆に身を危うくしている側面もある」

昨年、民間軍事会社ワグネルのプリゴジン氏が反乱を起こして不慮の死を遂げたが、どうあがいても政権を手にする望みがないとなれば、一か八かクーデターを起こそうとする輩が出てきても不思議はないというのだ。

「そのため、猜疑心の強いプーチン氏が任期途中で娘に大統領の座を譲り、院政を敷く形で身の安全を図ろうとしているのではないかとみられているのです」(同)