時事通信が7月11日に発表した岸田内閣の支持率は15.5%。2012年に自民党が政権に復帰してから最も低い数字となり、最新のANNの世論調査によると、43%が次の衆議院選挙後に「政権交代を期待する」と回答した。政権交代の気運が高まる中、社会学者の古市憲寿氏が7月26日深夜放送の「朝まで生テレビ!」(テレビ朝日系)に出演。政権交代を真っ向から否定して、視聴者から驚きの声があがっている。

 番組中盤、司会でジャーナリストの田原総一朗氏は立憲民主党と日本維新の会が、政権奪取に向けて連携する可能性は低いと指摘し、「維新の連中はね、公明党に代わって自民党との連立を考えているんじゃないかと思いたくなった」とコメントし、「大チャンスが来たのに、野党第1党を競っている立憲と維新が組まないんじゃ政権奪取できないよね」と続けた。

 元NHK職員でタレントのたかまつななも「野党がまとまる必要があると思いますし」と語ったうえで、日本維新の会・馬場伸幸代表の立場から見て、「立憲民主党としての考えがバラバラ」となっている点を問題点に挙げた。

 すると古市氏が「政権交代したら何が変わるんですか?この日本は」と問題提起。田原氏が「こんなに自民党が腐りきってるのはね、政権交代しかないんだよ」と答えると、古市氏はこう反論した。

「自民党が問題だとしても、『政権交代しました』、それが維新なのか立憲なのかわからないですけど、主義主張が違う政党が組むわけですよね。その混乱を恐れている日本国民はいると思うんですよ。だったら多少、問題がある自民党でも、このままでもいいんじゃないかなって、ある種、あきらめもあると思うんですね」

 政権交代を打ち消した古市氏に田原氏は「こんなデタラメな自民党でいいわけないじゃない!」と猛反発。それでも古市氏は、自民党が下野した後について「その政権が仮にある程度、長期政権になればいいんですけど、一瞬だけ壊してまた戻ったら、その分が無駄になっちゃう」と述べ、「まずは自民党内で総裁を代えるなり、自民党内の浄化みたいなことをしたほうが混乱は少ないと思うんですよ」と持論を展開した。

「世論調査で4割が政権交代を望んでいるとの結果が出ているにもかかわらず、古市さんの主張は、政権交代しないほうが混乱は少ないというもの。政権交代ではなく、自民党の“浄化”を訴えていましたが、一連の裏金問題とその後の法改正の流れを見れば、自民党に自浄機能が期待できないのは明らか。ネット上でも《古市さんそこまで媚びを売らなくても》《政権交代したら困ることでも?》などとツッコミの声があがっていました」(メディア誌ライター)

 いずれにしても“審判の日”は刻一刻と迫っている。

福島シゲル

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