脳科学や心理学などの観点から“ホラー映画の魅力”を紐解く書籍「ホラー映画の科学 悪夢を焚きつけるもの」(フィルムアート社)が発売された。

科学コミュニケーターのニーナ・ネセスによるこの本は、具体的な作品を例に、ホラー映画を観ている人の脳や心や体の中で何が起こっているのかを分析し、さまざまな切り口から恐怖の仕組みを解き明かす。また、製作者たちがどのように科学を活用して鑑賞者を怖がらせているのかも明らかにする。

登場する映画は『サイコ』『エクソシスト』『悪魔のいけにえ』『ハロウィン』といった今や古典とも言える名作から、『ヘレディタリー/継承』『ソウ』『ムカデ⼈間』(!)といった現代の人気作、さらには『リング』『仄暗い⽔の底から』といったJホラーまで300作品以上にのぼるという。各章にはひとつの作品を掘り下げるコラムと、映画の製作者や研究者へのインタビューも収録される。

自分が好きなホラー映画がどう分析されているのかも興味深いだろうし、本書を読んで作品を見直してみるのも面白そうだ。

『ホラー映画の科学 悪夢を焚きつけるもの』

2024年7⽉26⽇発売

ニーナ・ネセス著、五⼗嵐加奈⼦訳

発売・発⾏:株式会社フィルムアート社

<登場する映画>

『スクリーム』『サイコ』『ハロウィン』『エルム街の悪夢』『13 ⽇の⾦曜⽇』『ジョーズ』『エクソシスト』『サスペリア』『暗闇にベルが鳴る』『⽺たちの沈黙』『悪魔のいけにえ』『エイリアン』『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』『ヘレディタリー/継承』『シャイニング』『アス』『ソウ』『リング』『仄暗い⽔の底から』『IT/イット “それ”が⾒えたら、終わり。』『チャイルド・プレイ』『ムカデ⼈間』ほか300作品以上

<登場する⽤語・トピック>

脅威/闘争・逃⾛反応/PTSD/ジャンプスケア/嫌悪感/ミラーニューロン/捕⾷・被⾷関係/不気味の⾕/仮⾯/クモ恐怖/不協和⾳/周波数/叫び/恐怖記憶/認知発達理論/侵⼊思考/スポイラー/ホラー映画と犯罪の関係/脱感作/馴化/レーティング/妊娠ホラー/拷問/マンデラ効果/⾎や眼球にまつわる恐怖/ホラー好きは遺伝するか/刺激追求度/カタルシス説……ほか

<⽬次>

はじめに

第⼀章 恐怖を感じると、脳はこうなる

第⼆章 ホラー映画の歴史

第三章 モンスターの作り⽅

第四章 ⽿からの恐怖

第五章 恐怖が付きまとう理由

第六章 暴⼒的メディアと暴⼒⾏為

第七章 ⾎、ゴア、ボディホラー

第⼋章 ホラーの変わらぬ魅⼒