大学卒業後、仕事に追われる日々を送る主人公。ロボットのように心を押し殺して働き続けます。ある日、体が全く動かず涙も止まらなくなってしまいます。自分の身に何が起きているか分かりませんでしたが、いまが潮時だと感じます。そして、しばらく休暇を取ることにしますが……? 作者の、のもとしゅうへいさんにお話を聞きました。
次から次へと降りかかる仕事に忙殺される男性(のもとしゅうへいさん提供)
【マンガ本編】仕事に追われ、体が全く動かず涙が流れる… 自分の正体が分からない“お化け”状態になった男性の結末は?
感情を抑え続けた結末は?
大学卒業後、主人公は仕事に追われる日々を送っていました。仕事に対するネガティブな感情に目を背けながら働き続けます。しかしある日、体が全く動かず涙も止まらなくなってしまいます。自分の身に何が起きているか分かりませんでしたが、心が体から離れてく感覚がしました。いまが潮時だと感じ、しばらく仕事を休むことにします。休暇中にいろいろなことに挑戦してみますが……?
詩人・のもとしゅうへいさん(@shuunomo)による創作マンガ『仕事に追われた人間がおばけになる話』がX(旧:Twitter)上で公開されました。いいね数は8000を超えています。
読者からは「自分だけじゃなかったんだ。つらいことだけではなくて、うれしいことまで分からなくなるんですよね」「しっかりとした休息をとるのは大事! 潰れてボロボロにならないように……」「新卒の頃は普通のペースが分からなくてサービス残業ばっかりだったけど、やっぱり長くは続かなかったんだよなあ」など、共感の声が寄せられました。
のもとしゅうへいさんは、文筆、マンガ、イラストレーション、パブリッシングなどの活動をしています。2024年、芸術総合誌「ユリイカ」による現代詩の年間新人賞「ユリイカの新人」受賞しました。また、2022年に大学を休学し、神奈川県の真鶴町へ移り住んだときの暮らしをつづったエッセイ集『海のまちに暮らす』(真鶴出版)が発売中です。
作者の、のもとしゅうへいさんにお話を聞きました。
ーー今作『仕事に追われた人間がおばけになる話』を描いた理由や、作品に込めた思いなどを教えて下さい。
仕事に追われ続けることで疲弊して、自分の感情の正体が分からなくなってしまうことがあると知り、その様子を自分の表現に引き付けて描いてみようと思いました。
ーー今作はのもとしゅうへいさんの実体験をもとに描いた作品なのでしょうか?
作品は完全な実体験を描いたものではありませんが、キャラクターの振る舞いや性格には自身の一部が投影されているような気がします。パラレルな世界線のもうひとりの自分、のような気持ちで描いています。
大切な「なにか」が体から抜けてしまって……(のもとしゅうへいさん提供)
ーーとても繊細な内容です。製作の際にこだわった点や、思い入れのあるシーンやセリフを教えて下さい。
読み取りやすいテキストのリズムや、目に入ったときの印象的な配色は、制作時に意識しています。個人的に思い入れがあるのは、おばけが体から抜け出すシーンです。
ーーおばけの表現がとても印象に残りました。このアイデアが生まれた背景を教えて下さい。
心と体が別々の反応をしてしまうという状態を、自分なりに解釈しようとした結果、このようなイメージが生まれました。