えっ、こんなチョイ役をあの有名人が……? アニメのエンドロールでクレジットを見たときに、思いもよらぬ芸能人が出演していて驚いた経験はないでしょうか。また、その配役のエモさが、視聴者の胸をアツくさせた作品もありました。
画像は「逆境無頼カイジ 破戒録篇」DVD9巻(バップ) (C)福本伸行/講談社・VAP・NTV
【画像】え…っ? 「似てないのにどう見てもカイジ」こちらがアニメ版にも出演してくれた「実写版」です
視聴者の胸をアツくさせた「粋な配役」
映画やドラマなど、数多くの作品に出演する大物芸能人たちが、縁あってアニメの「チョイ役」を務めることはたびたびあります。ただセリフや出番が少ないために、エンディングのクレジットを見るまで、「まったく気付かなかった」という人も多いようです。
たとえば『逆境無頼カイジ 破戒録篇』には、『カイジ』の実写映画に欠かせない実力派俳優が出演していました。このアニメは原作『賭博破戒録カイジ』(作:福本伸行)における「欲望の沼」編が題材となっており、「大槻班長」との「チンチロ勝負」や超ハイレートのパチンコ「沼」に主人公の「伊藤開司(カイジ)」が挑む姿が描かれています。
その最終話にあたる、Bet.26「未来は僕らの…」で1話限りのチョイ役として出演していたのは、俳優の藤原竜也さんです。藤原さんといえば実写映画シリーズで主人公のカイジを演じているほか、『デスノート』の「夜神月」や『るろうに剣心』の「志々雄真実」など、数多くの実写化作品で強烈な爪あとを残してきました。
その藤原さんがアニメ最終話で演じたのは、名前もない、出番も少ない「黒服」役でした。ただこの黒服は、原作ファンのあいだで「優しいおじさん」と呼ばれており、ちょっとした名物キャラクターとしても知られています。
同話にてカイジは「沼」での勝利で得た大金の大部分を仲間だった「遠藤勇次」に奪われてしまい、残金を自身と仲間たちの借金返済に充てました。その後、「帝愛グループ」の地下労働施設から開放された仲間たちに会おうとしましたが、カイジはその余ったお金をパチンコで使い果たしてしまっていたのです。そこでカイジに、「これで奴らと合流してこいっ……!」と3万円を渡したのが、藤原さん演じる「優しいおじさん(カイジがそう呼んだ)」でした。
当時、視聴者からは「黒服が藤原竜也だったの全然気付かなかった」という驚きの声とともに、「優しいおじさんを藤原竜也にしたのファインプレー過ぎる」「実写とアニメのコラボか! 粋だねぇ」「初めて黒服の印象を変えた役だから、ここでCVに実写カイジは素晴らしい」といった反響が後を絶ちませんでした。
また実写つながりでいうと、2020年放送のアニメ『池袋ウエストゲートパーク』(原作:石田衣良)に出演した窪塚洋介さんにも注目したいところです。窪塚さんといえば2000年に放送されていた実写版ドラマで、原作とは180度異なるカラーギャング集団のボス「キング(タカシ)」を演じ、熱狂的な支持を集めました。破天荒かつカリスマ的存在であるキングのカッコ良さに、憧れた人も多いのではないでしょうか。
そんな窪塚さんがアニメで演じたのは、なんと最終話のエンディング後に一瞬だけ登場するキャラクターです。携帯電話を操作している主人公の「真島誠(マコト)」に近付いて「真島誠くんだね。ちょっと相談したいことあるんだけど……」と声をかける人物が窪塚さんでした。
顔も映らず、キャラ名も「依頼人」と表記されただけの端役でしたが、「キング」の声に多くのファンが熱狂したのは言うまでもありません。
もっと出番の多い役では、アニメ『SKET DANCE』(原作:篠原健太)にアーティストのGACKTさんが声優として出演した際も、ファンを騒然とさせました。GACKTさんが演じたのは「ダンテ」こと「伊達聖士」というキャラクターで、ヴィジュアル系の世界に陶酔して普段から難解なワードを用いて会話する……というひと癖ある人物です。
ダンテはGACKTさんをモデルに作られたキャラクターであり、その縁もあってGACKTさんがキャラクターボイスを務めることになりました。
ちなみにダンテはヴィジュアル系バンド「JardiN(ジャルダン)」のボーカルで、「カイメイ・ロック・フェスティバル」では優勝を果たすほどの実力の持ち主です。そのステージではGACKTさん自ら劇中歌「生きとし生けるすべてに告ぐ」を歌唱しており、また睡眠学習によって演歌に染まったダンテが登場する第71話では、小節の効いた歌声を披露しています。
普段耳にするGACKTさんの声とはまた違った、新鮮な「GACKTボイス」が聴ける貴重なキャスティングでした。