社会と共創する『笑いと健康プロジェクト』本格始動 ~「笑いのチカラ」を企業の健康経営を後押しする新たな柱に~

多様なパートナーと取り組み

企業・研究機関・団体など、同じ思いを持った多様なパートナーとの共創プロジェクトがすでにスタートしています。その一部を紹介します。

吉本興業は「ひとりひとりのココロの健康が、組織や企業の健康、そして多様な人材がイキイキと活躍できる社会の健康へつなげていくことを目的に、新しい取り組みやサービス・体験機会等を様々なパートナーの皆様と共に創り、開発を進めてまいりたいと考えています」としています。

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企業・医療機関等との取り組み事例

【株式会社アシックス】
「笑い」と「サイエンス」の要素を盛り込んだ、心身の健康に寄与するオリジナル体操の開発を目指しています。
パイロット実験として、アシックススポーツ工学研究所にて、お笑いの場で披露される動き(ギャグ)をスポーツ科学的に分析しました。運動負荷、呼気ガスや心拍数など、動作や生体に関するデータを詳細に測定した結果、代表的ないくつかのお笑いの動きが、心身両面で効果的な運動であることが分かってきました。
お笑いを通した動きは、運動という認識を持たず取り組めるため、楽しくトレーニングを実施できることが期待されます。
また、多人数で実施することで自然と笑顔になり、心の健康に対してもポジティブな効果がある可能性もみえてきました。
今後もギャグが心身の健康に与える影響を詳細に調査し、様々な世代の方が取り組めるオリジナル体操の開発を推進していきます。

【キリンホールディングス株式会社】
2021年、キリン中央研究所と静岡県浜松市、学校法人近畿大学と共同で、「笑い」による集中力向上とストレス反応の改善効果を解明する臨床研究を行いました。
その結果、笑い動画を鑑賞した場合は対照動画を鑑賞した場合と比べて、集中力を要する課題の回答速度が改善しました。また、前頭葉にて脳へ酸素や糖を送る脳血流量が約2.7倍増加し、唾液中のストレスマーカーの増加が約5分の1に減少するなど、認知機能やストレス反応の改善の可能性が見出されました。
本研究成果は、2021年10月30日(土)から開催された『日本ストレス学会』および2021年11月15日(月)から開催された『日本健康心理学会』にて発表しました。

【近畿大学医学部 研究グループ】
2017年より、「笑い」を医学的に検証する研究に取り組み、がん経験者がお笑いを鑑賞し続けることで、健康関連の生活の質と抗酸化能力、不安、うつなどを改善する効果がある可能性を見出しました。
本件に関する論文は、2023年8月に多分野の国際的な医学雑誌「Cureus」にオンライン掲載されました。

【日本電信電話株式会社及び国立精神・神経医療研究センターとの共同プロジェクト】
メンタルヘルス分野の基礎研究として、世界初の「笑い」によって人を元気にするデジタルな薬を目指す取り組みを進めています。
その第一歩として「お笑いのカタログ作り」として、芸人インタビュー等を通じて「笑いの評価軸」(笑いの作り方、笑わせ方)を言語化し、神経科学的検証を行っていきます。 検証を通じて「笑い」の理解を深め、将来的には「笑い」の観点からコンテンツ、広告、製品を最適化するマーケティング分野への適応や、「笑い」による医学的な治療を目指し、デジタルな薬となるSaMD(Software as a Medical Device)と呼ばれるプログラム医療機器化も視野に入れて取り組みを行っています。