「突然の変化に弱いところがある」
——Masyashi777さんは、たいぞうさんとは初対面ですか?
Masyashi777 そうです。でも僕とたいぞうさんは同世代で、『クイズ!紳助くん』(ABC)で、(島田)紳助さんにイジられているたいぞうさんは見てました。でも、いまはテレビをほとんど見ないから、そのころのたいぞうさんのイメージが強いですね。最近は絵を描いてらっしゃる、というのは知っていました。
たいぞう 同じ発達障害ですが、いろいろ聞いてもいいですか?
Masyashi777 こういう表舞台に出るなら、なんでも話す気で来たので大丈夫です。ただ、プロの芸人さんからの強いツッコミはビビるかもしれません(笑)。
たいぞう じゃあ、もうちょっと親交を深めてから(笑)。
Masyashi777 僕はたいぞうさんを見て育ったし、大阪出身なんでそのへんは大丈夫です(笑)。僕は統合失調症です。気分の浮き沈みが激しくて、突然の変化に弱いところがあるので、絵を描いたり、湖の近くの公園で猫に会ったり、音楽を聴いたりという、穏やかに日々のルーティンを大切にしながら暮らしています。
出典: FANY マガジン
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自分の気持ちをぶつけるパワーがすごい
——たいぞうさんは、2017年から「大阪府障がい者芸術・文化大使」を務めています。障がい者アートの魅力は何ですか?
たいぞう 大使に任命されたときはまだ発達障害と診断されていなかったんですが、結果的にそれが障がい者アートと触れ合うきっかけになりました。自分の気持ちをバーンとぶつけているパワーがすごいなと思っています。僕自身も思いのままに絵を描いているので、共通しているものがあるなと思ったし、いまとなればもっと近くなった感じがしています。
河瀬 自由な発想がありますよね。たとえば「空は青じゃないといけない」とか、そういう発想がいっさいなくて、本当にそのときに感じた心の色をそのまま素直に重ねていて、たとえ繊細な作品でも、パワーにあふれているんです。とても緻密な絵を描くアーティストさんの、創作中の情景を思い浮かべるだけで、じわじわとパワーをもらえるような気がします。
Masyashi777さんは、大東市で開催された障がい者の方の作品展で出会い、私が彼の作品にひと目惚れして「アベイユ」にスカウトしたんです。本当に真面目な方で、創作意欲もとても高く、毎朝7時に作品を送ってくださるんですよ。
出典: FANY マガジン
Masyashi777 そういう日々を送っていることが多いです。状態が悪いときでも自然とペンを走らせたり、熱量がそんなに高くなくても自然と描く。寝ようとベッドに入っても、描こう、と思うときがあります。いろんな状況があるけど、自分の気持ちを投影するという感じではないけれども、なんやろうなぁ……。トータルで表現すると「救い」という言葉が出てきます。
——Masyashi777さんが思う、障がい者アートの魅力とは?
Masyashi777 見ていて飽きない。そこが好きですね。僕自身も作品を展示していますが、展覧会でほかのアーティストさんの作品を見るのが楽しいし、ポストカードを買って集めるのがいちばんの楽しみです。ポストカードだと、細かいところまでじっくり見られるんですよ。