「映画クレヨンしんちゃん」シリーズ31作目となる『映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』が公開中です。現代に復活した恐竜が、カスカベで、東京で大暴れ! 笑いあり、涙あり、シロとカスカベ防衛隊が小さな恐竜と出会い、生命の垣根を超えた友情を描いています。

現代に恐竜をよみがえらせた一大テーマパーク“ディノズアイランド”の運営&システム管理者のアンモナー伊藤を演じる「オズワルド」の伊藤俊介さんと、“ディノズアイランド”のスタッフ・チュウを演じる畠中悠さんのお2人に本作の魅力についてお話を伺いました!

――本作大変楽しく拝見させていただきました!まずはご覧になって、お互いのお芝居の感想を教えてください。

伊藤:ちょっと見つけられなかったですね。こいつがチュウなんだって分からずに観終わる方がほとんどなんじゃないかと思います。

畠中:それくらい、自然に溶け込めていたってことですよね。アンモナー伊藤は、伊藤と近いところも多くて。見た目もそうだし、お調子者のところも似ているなって思いました。

伊藤:監督がお笑い好きでいらっしゃるので、だいぶ僕をイメージして作られたキャラクターなのかなって感じですよね。色合いだけ、ピンクと緑という「マユリカ」の中谷さんカラーなんですが。

――言われてみたら、確かにマユリカさんカラーですね(笑)。アフレコはいかがでしたか?

伊藤:平場でしゃべるとか、一般的な演技をするとは全く別物で。キャラクターに合わせて話すということがすごく新鮮でしたね。以前もキャラクターの声を担当させてもらったことがあるのですが、その時は僕の声に合わせてもらう感じだったので、(本作の様なアフレコは)初体験でした。命吹き込んでいるなっていう感じで楽しかったです。

畠中:収録している時に、スタッフさんから「もっとテンション高くお願いします」みたいなことをすごく言われたんです。「もっとお願いします」「もっといきましょう」と。やりながら内心、こんなにテンションが高いのはおかしいんじゃないかな?と不安ではあったのですが、聞いてみたら全く不自然ではなくて。これだけ「もっと!」と言われて、普通のテンションに感じるということは、普段の俺ってめちゃめちゃテンション低いんだなって。もうちょっといっても良かったほどだったので、普段から声のお仕事をされている方って体力がすごいんだなと感動しました。

――本当にすごいお仕事ですよね。お2人の声もとても素敵でした!

伊藤:ありがとうございます。完成した映画を観て、「俺、クレヨンしんちゃん出てるんだなあ」って感じでした。信じられないですよね。ゲスト声優に芸人が2回出てくることてって無いと思うので、一生に一回なんだと思うと感慨深かったです。しかも、アンモナー伊藤はしっかりと出番のあるキャラクターだったので、今も喜びを噛み締めています。

畠中:僕のセリフは4個ぐらいだったんですけど、だからこそ一言一言にこめる想いは人よりも多かったと思います。一言一言に魂こもりすぎて、涙を流す人もいるんじゃないかなと思っています。

伊藤:もうこれに関してはツッコミ疲れました。取材でもずっと言ってるんで、無視することにしてます。

畠中:チュウって“ディノズアイランド”で働いていますけれど、根はすごくいいやつ、明るいやつなんですよ。3人組の中でも一番楽しんで仕事をしているタイプで、 自分が悪いことをしてるなんて意識は一切無いんですよね。ディノズアイランドが大変なことになってしまった時に、自分も悪いことに加担してしまったんだと気付いて、でもすぐには組織から抜けられず…。そのへんの葛藤は見ものだと思います。

伊藤:この説明、一文字も載せないでください。

畠中:チュウにはチュウの物語があって…。

伊藤:あいつのスピンオフ、誰も観たく無いから。

畠中:アンモナー伊藤のバックボーンは?

伊藤:最初はロボットとか科学の力で人々を幸せにしたいという想いで学び始めたんですけど、そこから色々な汚いものを見てそっちに染まってしまい、自分の持っている力をそっちに使い始めてしまうんですよね。だからこの映画って、アンモナー伊藤がダースベイダーになる瞬間でもあると思っています。

――素晴らしい解釈をありがとうございます!本作で好きなシーンも教えてください。

伊藤:野原家が粉々になるシーンはもうお馴染みというか、ヒロシの「32年ローンが…」って弱り果てる姿は何度見てもいいですよね。ローンを組んで家を買うという、生々しさがしんちゃんの良いところの一つだなと思うので、今回も「待ってました!」という感じでした。サラリーマンのサラリーマンっぽさってしんちゃん観て学びますよね。

畠中:ねねちゃんのおままごとというかドラマごっこで、ドラマ「イグアナの娘」をパロディーするシーンがあって、どこに向けてやってるの?という小ネタが最高でしたね。監督の趣味がたくさんつまっている所が面白かったです。あとは、野原家とビリーの家族の対比がすごく面白くて。子供を想う親の気持ちとか、ハッとさせられるセリフがたくさん散りばめられていてすごかったです。

――映画の中でのひろしとみさえの言葉がカッコ良すぎましたね。お2人が家族から学んだことってありますか?

伊藤:母ちゃんがもう口癖のように「男は金と包容力」だって言っていましたね。離婚して、苦労しているからというのもあると思うんですが、めちゃめちゃ言われました。あと、「結婚式は行けなくてもいいから、葬式は行ってやれ」とか。

――金言だらけですね…!

畠中:僕は出身が北海道なのですが、朝5時くらいにストーブもつけていない寒い台所でお母さんがお米を研いでいる姿が忘れられなくて。なんてことない日常なのですが、その姿がすごう切なく感じられて、僕が朝まで飲んでいる時に、「もしかして今、北海道ではお米を研いでいたりするのかな?」ってふと思い出したりして。頑張っている親の姿って、その佇まいから感じるなと思います。

――お2人のお母さん、とってもカッコ良いですね。素敵なエピソードをありがとうございます。お2人が好きな『クレヨンしんちゃん』のキャラクターや好きな映画を教えてください。

伊藤:最近出てきていないですけど、オネエキャラがめっちゃ好きでした。『暗黒タマタマ大追跡』の三兄弟とか、『ヘンダーランドの大冒険』のマカオとジョマとか。『雲黒斎の野望』の雲黒斎も好きです。今はなかなか下品すぎるのって地上波では難しいと思うのですが、しんちゃんが肛門で会話するとかも本当笑ってました。子供達絶対大好きですよね。地上波用と配信用で分けて作るっていうのはどうでしょう?

畠中:僕はおっさんキャラが好きなので、『嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』は本当に泣けました。フォークソングも大好きななので、吉田拓郎さんの曲が流れて感動しました。子供達が見て、聞いたことの無い人ばかりだったと思いますけど、きっと「良い曲だな」と感じたんじゃないかなと。昭和のフォークソングにしかない良さがあるなあと。ひろしもそうですし、園長先生も好きです。表立って活躍しようとしないけれど、影で実は支えている。そんな男になりたいです。チュウもきっとそうです。

伊藤:チュウなんて一番なんも考えていない。

畠中:もうちょい年を取ったら深みが出てくるんじゃないかなと思いますね。

――チュウの成長に期待ですね(笑)。最後に、本作ではしんちゃんたちの一夏の冒険が描かれていますが、お2人の思い出に残っている夏の出来事はありますか?

畠中:中学校の頃、近所の山に友達と登って、そこに古い門があったんですね。俺が門に座っていたら、友達が思いっきりその門を押して、顔をぶつけて前歯が折れたんですよ。今そのせいで前歯が差し歯なので、あんなことさえなければ俺の前歯は自分の歯だったのになって思う。夏が来る度に思い出します。

伊藤:僕は千葉出身で、「木更津キャッツアイ」がめちゃくちゃ流行っていたんですね。ドラマの中に“赤い橋の伝説”みたいなエピソードが出てきて、好きなおんぶして、赤い橋を渡り切るとその子と付き合えるっていう。それで、友達みんなで「チャリンコで赤い橋行ってみようぜ!」って、めちゃくちゃ時間かかったんですけど、無事についたら、女の子が1人もいないなって気付いて。男だけで来たってもう何の意味も無かったっていう、良い夏の思い出です。

――そのバタバタ感も「木更津キャッツアイ」っぽい感じもします(笑)。今日は本当に楽しいお話をどうもありがとうございました!

撮影:オサダコウジ

『映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』

■原作:臼井儀人(らくだ社)/『まんがクレヨンしんちゃん.com(https://manga-shinchan.com)』連載中/テレビ朝日系列で放送中

■監督:佐々木忍

■脚本:モラル

■声の出演:小林由美子、ならはしみき、森川智之、こおろぎさとみ、真柴摩利

■ゲスト声優:北村匠海、オズワルド

■主題歌:My Hair is Bad 「思い出をかけぬけて」

■公開表記:大ヒット上映中!

(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2024

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