パリ五輪を戦ったなでしこジャパンは、いわば満身創痍だった。国内合宿の頭から谷川萌々子が別メニュー調整、そんな中でガーナとの強化試合では北川ひかるが負傷。さらに本大会に入ると、スペインとのグループリーグ初戦で清水梨紗が負傷交代(その後チーム離脱)し、藤野あおばはナイジェリア戦前に車椅子で移動すれば、そのナイジェリア戦は古賀塔子が体調不良でメンバー外になるなどアクシデント続きだったのだ。
中2日で試合をこなす過密スケジュールに、選手のコンディション不良が重なったなでしこジャパンは厳しい戦いを強いられた。識者の河治良幸氏は言う。
「仮にレギュレーションが変更(メンバー18人にバックアップ4人を加えた計22人から体調面などを考慮して試合ごとに登録メンバー18人を選べる運用に)されず、怪我以外でチェンジできない状態で開幕して18人で戦うことになっていたら(大会前にコンディションを崩していた)林穂之香選手と北川ひかる選手がエントリーされなかったかもしれないですし、谷川選手も怪しいところでした」
それこそレギュレーション変更がなければ、清水が怪我でチーム離脱した時点でチームは大パニックに陥っていた。実際、河治氏も「もしそうなっていたらどうなっていたんだろう。おそらく右ウイングバックは2戦目からずっと清家貴子選手が担うことになっていたと思います」と話している。
少なからずレギュレーション変更で、なでしこジャパンは救われた部分があった。
WEリーグ、ヨーロッパの主要リーグでプレーしている選手たちはレギュラーシーズン後、おそらく完全にリフレッシュできないまま五輪に臨まないといけない事情もあっただけに、今後は登録メンバーの拡大など“選手ファースト”の対応策が求められるか。
構成●サッカーダイジェストTV編集部
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