東京V戦でキラリと輝くプレーは皆無。柴崎岳という特別なタレント性を考えると…【コラム】

 2024年8月25日、味の素スタジアムで開催された東京ヴェルディ戦で22節の北海道コンサドーレ札幌戦から7試合続けてスタメン出場したのが、鹿島アントラーズの10番、柴崎岳だった。

 正直、現地で彼のプレーを久しぶりだったので、どんなプレーをしてくれるのか、単純に興味があった。

 4-2-3-1システムで2ボランチの一角を担った柴崎は序盤、中盤の低い位置から味方に繋ぐプレーが多くそこまで目立たなかった。ひとつのミスが大ピンチを招くボランチというポジションの特性を考えれば、彼のスタンスは理に適っていた。

 9分には自陣に蹴られたボールをマーカーについていきながらカット。守備もそつなくこなしている印象だった。

 地味ながらも淡々とプレーしていた柴崎が、チャレンジのパスを出すようになったのは26分あたりから。そして28分にはゴール正面からのボレーシュート(枠外)を放つなど、積極性を見せた。
 
 ただ、局面を一変させるようなプレーはなかったように映った。51分にはロングフィードを相手に奪われ、そのパスミスから大ピンチになった点を考えても手放しで誉められるパフォーマンスではなかった。
 
 プレーの質は決して悪くない。決定機を創出したクロスもあった。ただ、柴崎という特別なタレント声を考えると思ってしまう。キラリと輝くプレーが皆無だったのは残念だったと。

 ボランチだから派手なプレーはそこまで望んではいけないのは十分承知している。それでも、現役Jリーガーの中でその名前でお客さんを呼べる数少ない選手のひとりだと勝手ながら考えている。だからこそ、特別な輝きを放ってほしい。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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