浦和レッズは8月27日、ペア・マティアス・ヘグモ監督との契約解除と、これに伴いマチェイ・スコルジャ新監督就任の合意、池田伸康コーチが暫定的にトップチームの指揮を執ることを発表した。スコルジャ氏については、就労ビザ発給等の諸手続きが完了次第、監督に就任することになる。
一連のリリースの後、クラブは「ファン・サポーターのみなさまへ」と題し、スポーツダイレクターの堀之内聖の名義で声明を出した。
「いつも浦和レッズに熱いご声援をいただき、ありがとうございます。クラブからリリースがありました通り、これまで浦和レッズを、高い志と献身的な姿勢をもって率いてくれた、ペア・マティアス・ヘグモ氏の監督職を解除し、2023シーズンに浦和レッズを率いた、マチェイ・スコルジャ氏を新監督として招聘いたしました」
堀之内SDは「約4年半の間に4度目の監督交代を行うという事実を、重く受け止めております」とし、「今回の決断を下すにあたり私が何を考え、そしてこのチームをどうしていきたいのかを、以下にご説明させていただきます」と記し、以下のように続ける。
「2024シーズンは、前年度までに構築した強固な守備に、攻撃面での改善を上乗せすることによって昨季を超える成績、具体的にはJ1リーグでの優勝を目指してスタートしました。
また並行して、単年度に止まらず常に優勝を狙えるポジションに位置し続けるチーム作りを、クラブとして目指しています。
そしてこうした目標に向けた取り組みは、2025シーズンに開催されるFIFAクラブワールドカップにおいて、世界の競合クラブと伍して闘うことのできるチーム作りに繋がると考えており、そこから逆算した日々のトレーニングを通じ、チーム全体でステップアップしていくことに取り組んできました。
今回の決断につきましては、継続を旨としてチーム編成を行う上で、短期間での監督交代に強い葛藤があったことも事実ですが、監督を代えないことを目的化せず、これまでの公式戦全28試合の成績、試合やトレーニングを通じて可視化されるスタイルの浸透度、ピッチ外も含めた選手やコーチングスタッフに対するマネジメントスキル等を定量、定性の両面から総合的に評価した結果をもとに行いました」
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その総評で、「やはり始動時に描いた成長曲線に対し、現時点でのチームの完成度は後れを取っていると言わざるを得ません」と判断した。
「当然ながら、その原因が全て監督にある、という短絡的な他責思考で判断を行うのではなく、シーズン途中での移籍による選手の入退団や傷病による選手のコンディション不良が及ぼすスカッドの変化、その他の変動要素も考慮した上で、取るべき手段とそのタイミング、直接間接を問わない二次的影響も視野に入れた検討の結果、成長の方向性を継続することと、成長のスピードを上げることの重要性を再確認し、そのための手段としてこのタイミングでの監督交代という決断を下しました」
そして、巻き返しに必要な人材に白羽の矢を立てた。
「浦和レッズは、昨シーズン表現できていた強固な守備と、今シーズン強化された攻撃とを高次元で結びつけることを目指します。そしてそれを実現できる可能性が最も高い監督であるという評価に基づき、マチェイ・スコルジャ氏を後任監督として招聘いたしました。
フットボールにおいて守備と攻撃が不可分であることや、強固な守備を実現する上で、前線の選手による高い守備の意識とハードワークが不可欠であること、即ち機械的に「2023シーズンの守備+2024シーズンの攻撃」という組み合わせを実現することはできないということを十分に理解しておりますが、2025シーズンのFIFAクラブワールドカップという大会が浦和レッズというチームにとって、そしてクラブにとってどういう位置付けなのか、そこでどう闘うのか、残された時間の中で何をするべきなのか、そしてそのために必要となる判断は何なのかを考え、この難易度の高いチャレンジを行うことにしました。
この8ヵ月間を含め、チームコンセプトに基づいて積み上げてきたものを活かすという継続と、思うようにことが進まなかったときにリセットするのではなく、戻るべきところへ戻り、そこから再び積み上げを図るという継続を、強い覚悟をもって実践していきます」
最後に、今後に向けて意気込みを示す。
「浦和レッズというクラブがフットボールと向き合う姿勢として、勝利を目指さない試合は1試合も存在しません。選手、スタッフ一同、今シーズン残された全ての公式戦での勝利とチームの成長を目指し、最後まで走り、闘い、貫く覚悟ですので、引き続きのご声援をどうぞ宜しくお願い申し上げます」
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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