『ONE PIECE(ワンピース)』に登場する「黒ひげ」は、自らの野望のため手段を選ばない、非道さを持った海賊です。最終章に近づいた現在も多くのキャラが被害に遭うなか、特に女性キャラは今後のキーパーソンになると予想できます。



「仲間殺し」や「能力者狩り」など海賊のなかでも外道な行動が目立つ黒ひげが描かれた『ONE PIECE ワンピース 20THシーズン ワノ国編 piece.16』DVD(エイベックス・ピクチャーズ) (C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

【画像】次は誰が狙われる? こちらは過去に黒ひげに襲われた美女です(7枚)

黒ひげも「美しさ」には弱い…

 マンガ『ONE PIECE(ワンピース)』の「黒ひげ海賊団」の提督「黒ひげ」こと「マーシャル・D・ティーチ」は、自身の野望のために仲間を殺害したり「能力者狩り」を行ったりと、不穏な動きが目立つ海賊です。これまでも「白ひげ(エドワード・ニューゲート)」の「グラグラの実」を奪うなどしていましたが、その一方で美女や美少女を誘拐するイメージもあるのではないでしょうか?

 まず狙われたのは、海賊女帝「ボア・ハンコック」でした。ハンコックは、魅了した相手を石化させる「メロメロの実」の能力者です。黒ひげは彼女の能力を奪うために、女ヶ島「アマゾン・リリー」を襲撃しますが、「シルバーズ・レイリー」の介入によって強奪に失敗します。

「メロメロの実」の能力は絶世の美女とうたわれるハンコックの美貌があってこそ、真の力を引き出せます。それにもかかわらず、なぜ「美形」とはいえない黒ひげが「メロメロの実」を狙ったのでしょうか?

 一部のファンは「メロメロの実に隠された力がある」という意見が聞かれました。その隠された能力については「蘇生能力」と推測されているようです。ハンコックら三姉妹は「ゴルゴン三姉妹」と呼ばれており、その名はギリシャ神話にも登場しました。

 三姉妹のなかに見た者を石化させる「メデューサ」がおり、メデューサの血液には、死者を蘇らせる力が宿るとされています。メデューサの特徴は、人を魅了して石化させるハンコックと通じるものを感じるため、「蘇生能力」があるという意見が浮上しました。

 その「蘇生能力」を黒ひげが知っていたのであれば、「メロメロの実」の能力を欲しがることにも合点がいきます。

 もちろん、大多数は「純粋に人を魅了できる能力を手中に収めておきたかった」という意見でした。しかし、計算高い黒ひげが、わざわざ能力を奪いにいったことを考えると、物語上で明かされていない重大な情報があるように思えます。

 そして、能力を奪うのではなく、本人ごと誘拐したのが「ビッグ・マム」の娘「シャーロット・プリン」でした。

 彼女は人間と「三つ目族」のハーフで、「真の開眼」を果たすと万物の声を聞けるようになるといわれています。それが「歴史の本文(ポーネグリフ)」を読めることにつながり、海賊たちが目指す最後の島「ラフテル」へたどり着く手段として考えられているのでしょう。

 また彼女が囚われていることによって、プリンをかけた黒ひげ海賊団とビッグ・マム海賊団の戦いに期待が高まっています。船長である「ビッグ・マム(シャーロット・リンリン)」は生死不明ですが、兄弟たちは扉絵連載によって生存を確認できています。

 プリンの能力の開花も気になりますが、それ以上に彼女をめぐった戦いが行われるのか、今後の物語も見逃せません。

 黒ひげが次に狙うとすれば、「海王類」を操る人魚で古代兵器「ポセイドン」の「しらほし」である可能性が高いでしょう。現状、黒ひげには、黒ひげを尊敬している海賊「カリブー」によって、古代兵器「ポセイドン」や「プルトン」の情報提供があったと考えられます。

 1080話で「『黒ひげ王国』を作りたい」と話した黒ひげにとって、世界を揺るがす強大な兵器である古代兵器のありかは、願ってもない情報でしょう。かつて軍事国家を築こうとした「クロコダイル」が「プルトン」に執着していたように、黒ひげがしらほしを手中に収めようと接触を図って来るのではないでしょうか。

 いまだ素性に謎の多い黒ひげは、野望を果たすために何をするか分からないのが恐ろしいところです。黒ひげに狙われた彼女たちが、今後重要な展開をもたらす可能性は高いでしょう。悲惨な目に遭わないことを願わずにいられません。