一番のサプライズは長谷部コーチ就任。45分の会見で感じた抜群のインパクトと期待感。日本代表をもう1つ上のレベルに導いてほしい

 日本サッカー協会が8月29日、北中米ワールドカップ・アジア最終予選の中国戦(9月5日)、バーレーン戦(同10日)に臨む日本代表のメンバー発表会見を実施。森保一監督と山本昌邦ナショナルチームダイレクター(ND)が出席した。

 この日の発表で、サプライズと言える要素はいくつかあった。週刊誌報道の影響で代表から遠ざかっていた伊東純也の復帰、J1首位のFC町田ゼルビアで存在感を示している望月ヘンリー海輝とパリ五輪で活躍した高井幸大の初招集、そして長谷部誠氏のコーチ就任だ。

 3つのトピックを比べてみた際に、質問数の多さで考えれば、長谷部コーチが最も話題をさらったと言えそうだ。
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 日本代表で長年に渡ってキャプテンを務めた長谷部氏は、昨季をもって現役を引退。9月からは最後にプレーしたフランクフルトU-21のアシスタントコーチに就任することが決まっていただけに、まさに驚きの人事である。強い関心を集めることとなった。

 具体的に、会見では山本NDがまず、挨拶の際に「今回から長谷部誠コーチに参加してもらいます。フランクフルトの仕事もありますので、IW(インターナショナルウィンドウ)の期間だけ彼にお願いして。詳細はキャンプ中に様々なディスカッションをしていければ」と説明。その後、以下の4つの質問が飛んだ(一部中略)。

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――長谷部コーチを迎えるにあたっての交渉

山本ND
「現役を辞めた後、色んな準備をして、しっかりと形が整って、今回IWの期間は来ていただけると。フランクフルトの方からも非常に好意的な交渉のコメントをいただきました。長谷部コーチもそうです。日本のサポートもしたいと、ウィンウィンの関係で実現しました」
――森保監督自身が就任を要望したのか

森保監督
「長谷部コーチの就任は私が協会の方々に要望しました。もちろんコーチ陣、スタッフとも話しました。我々がアジアでより確実に勝って行く、世界一を目ざして戦っていくなかで、現状のスタッフでも確実に前進していけると考えていますが、長谷部コーチが持っているヨーロッパでの経験は、間違いなく色んな刺激になります。

 まだコーチとして始まったばかりですので、足りないところはあるかもしれません。ですが、色んなことを指導者として学ぶ前に、選手側からどう感じる、選手として選手にどう働きかけるか…より選手目線で伝えられる大きな武器を持っているので、一緒に仕事をしてもらうことにしました」

――招集前後で個人的にやり取りをしたのか

森保監督
「長谷部自身にも直接会って、お願いをしたり、電話で色々なやり取りをしながら私自身の思いを、招集への思いを伝えました」
 
――長谷部コーチの期限

山本ND
「最終予選はもちろん、2026年の北米のワールドカップもしっかりと視野に入れて考えております」

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 45分の会見終了後、「結局、長谷部の質問が一番多かったな」という記者同士での会話が聞こえてきた。個人的にも“主役・長谷部”を強く感じた会見だった。

 期待値もインパクトも抜群のレジェンドが、日本代表をもう1つ上のレベルに導く存在となってほしい。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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