北中米ワールドカップ・アジア最終予選(9月5日にホームで中国、10日にアウェーでバーレーンと対戦)に挑む日本代表のメンバー27人が8月29日に発表された。
伊東純也(スタッド・ドゥ・ランス)と三笘薫(ブライトン)が今年1月のアジアカップ以来の復帰を果たした一方、パリ五輪でも活躍した高井幸大(川崎フロンターレ)が、サプライズ選出となった望月ヘンリー海輝(FC町田ゼルビア)とともに初招集。5月に現役を引退したばかりの長谷部誠氏のコーチ就任など、話題は少なくなかった。
そんな日本代表のメンバーについて、現状の序列を整理した。6月シリーズでは3-4―2-1を試したシステムは、攻撃時は4-1-4-1に可変する4-2-3-1と想定した。
東京五輪組の3人が争うGKは、その6月シリーズではU-23日本代表のほうへ回った鈴木彩艶が一番手と見る。今夏に移籍したパルマでも、ここまでは上々のプレーを披露している。ともにJ1で首位争いをしているチームで奮闘する大迫敬介(サンフレッチェ広島)と谷晃生(町田)がその座を脅かせるか。
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故障中の橋岡大樹(ルートン)が外れた右SBは、AZから移籍したサウサンプトンでもポジションを確保している菅原由勢。22歳の大型SB望月はトレーニングでアピールし、この真剣勝負の場で初キャップを刻めれば収穫だろう。
CBの軸になるのは、板倉滉(ボルシアMG)だ。膝の怪我で招集外となった冨安健洋(アーセナル)の代わりに相棒を務めるのは、クラブでも評価を上げている町田浩樹(ユニオン・サン=ジロワーズ)だろう。今夏に、33歳にして初の欧州移籍を果たした谷口彰悟(シント=トロイデン)と、パリ五輪でのパフォーマンスで評価が急上昇している19歳の高井がバックアッパーとなる。
シュツットガルトからバイエルンへステップアップした伊藤洋輝が故障離脱中の左SBは、町田に電撃加入した中山雄太が先発を担うだろう。ただ、大怪我を経験していることもあり、3月と6月は出番がなかった37歳の長友佑都(FC東京)にカタール・ワールドカップ以来の出場機会が回ってくるか。展開次第では、町田が起用される可能性もある。
ダブルボランチはキャプテンの遠藤航(リバプール)と守田英正(スポルティング)が軸になる。ただ、得点力のある田中碧(デュッセルドルフ)、トップ下と兼用の鎌田大地(クリスタル・パレス)、セルティックで好調の旗手怜央と人材は豊富。遠藤がクラブで出場機会を失っていることもあり、試合によって様々な組み合わせが考えられる。
同じくタレントが豊富な2列目も豪華な顔ぶれだ。まず右サイドは、便宜上、途中離脱したアジア杯以来のメンバー入りとなった伊東を一番手としたが、クラブでも代表でもいい状態を維持している堂安律(フライブルク)との差はなく、交互に先発すると見る。
トップ下は、序列ではやはり久保建英(レアル・ソシエダ)が最上位だ。ただ、南野拓実(モナコ)は今シーズンも好調で、新天地で徐々にフィットしている鎌田もおり、もちろん安泰ではない。
左サイドはついに戻ってきた三笘がやはりスタメンの最有力候補。クラブでも開幕2戦で1ゴール・1アシストと違いを見せている。もちろん、その三笘が不在の間に得点を量産した中村敬斗(S・ランス)も外し難く、森保一監督にとっては嬉しい悲鳴だ。対戦相手を考えると、前田大然(セルティック)はクローザー的な役回りになりそうだ。
ファンが期待するもなかなか実現しなかった、伊東、久保、三笘が並ぶ“魅惑の2列目”が今シリーズでついに見られそうだ。
1トップは、上田綺世(フェイエノールト)がスタメンの最右翼で6月に結果を残した小川航基(NEC)が追う構図か。前回は外れたものの、指揮官の信頼が厚い浅野拓磨(マジョルカ)と、パリ五輪代表でエースだった細谷真大(柏レイソル)は限られた出場機会で結果を残したい。
こうして見ても、いまの日本代表は、とくに中盤と2列目は悩ましいほど戦力が充実している。この豪華な陣容を、森保監督がどう組み合わせてマネジメントしていくのか。腕の見せ所だ。
文●江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)
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