ニュースだけじゃ伝わらない米女子ツアー選手たちの魅力を毎月、現地からレポートします!

これまでの努力を形に。”五輪のメダル”の獲得を目指す


エミリー・ペデルセン Emily KristinePedersen
Denmark
●1996年生まれ、デンマーク出身。2015年、欧州女子ツアーで新人賞を獲得。今季は「ホンダLPGA」7位、「JMイーグルLA選手権」6位など、好結果を残している。

東京五輪から約3年が経過し、戦いの舞台はフランスへ。パリ五輪の女子ゴルフ競技は、8月7日から10日、ゴルフ・ナショナルにて開催される。「パリ五輪の出場は私にとって、今年最大のイベントです」とエミリー・ペデルセンはキッパリいった。

ペデルセンの五輪出場は、東京五輪に続き2回目となる。東京ははじめての五輪だったうえにコロナ禍だったため、試合がはじまるまでは「どういうモチベーションでプレーしたらいいのか……」と、多少の戸惑いはあったものの、4日間を戦い抜いて結果は13アンダーの5位タイ。銅メダルを獲得したリディア・コ(ニュージーランド)に惜しくも3打およばなかったものの「メダルは獲れませんでしたが、本当に楽しかったです」と、清々しい顔をした。それ以降、ペデルセンはパリ五輪の出場を目標にガンバってきた。「五輪は4年に1度の開催のため、メダルを手にできるのは、わずか数人の選手だけ。だから、メジャー大会の優勝より五輪のメダルのほうが特別なことだと感じます」。

そして、パリ五輪で時間に余裕があれば「すべての競技を観戦したい!」と目を輝かせた。「あ、でもゴルフをしないといけないので……せめて、バドミントン(男子シングルスで母国の英雄)のビクトル・アクセルセン選手を見てみたいです」。ペデルセンはスポーツ全般に興味を示す。「子どものころ、デンマークの国技であるハンドボールをやってみました。でも、私の手は小さくてハンドボールに向いていませんでした」と苦笑い。ほかにもバドミントンやサッカーにトライしたものの、いまいちだった。だが、10歳ではじめたゴルフはすぐにピンときたという。「ゴルフに飽きたことはありません。うまくなる余地がつねにあるのがおもしろいです」。

ジュニアのころから頭角を現したペデルセンは、2015年に欧州女子ツアーで新人賞を獲得。だが、米ツアーでは未勝利だ。ツアー優勝より先に五輪のメダル獲得となるか!?

ペデルセンと同じく2大会連続でデンマーク代表としてパリ五輪に出場予定のナンナ・コルツ・マドセン。ペデルセンとは幼馴染で、実家は約500メートルの距離だそう。

●みなみ・しずか/東京都出身。 2009 年より米女子ゴルフツアーを取材。ゴルフ雑誌や「ナンバー」「SportsIllustrated」などスポーツ誌に写真を提供。

写真=南しずか
PHOTO&TEXT Shizuka MINAMI