〝なっち先生〞こと大谷奈千代が、コーチに転身して気づいた「プロとアマチュアの考え方の違い」は、スイングの改造や強化以上にスコアアップの効果がある。
そこで「頭と心の中を変えるレッスン」を毎月掲載!
雨を「チャンス!」に変える準備と機会を作ろう!
雨の日の具体的なプレーの仕方は「雨対応の基本を守りつつ、挑戦もしてみる!」と大谷。濡れた足場は滑りやすく、プレーも急ぎがちになるのでスイングは「ゆったりとコンパクト」が〝基本〞。そのなかでボールが転がらない状況を「ドライバーはキャリーを伸ばす」「パットはしっかりヒットする」打ち方に〝挑戦〞して攻略してみよう!
ゴルフは自然との戦い。夏は夕立ち、近年はゲリラ豪雨の発生も増え、雨との戦いになることが多くなります。雨が降るとカッパを着るため動きにくくなるし、手も滑り、いつも以上にミスが出やすくなってしまう。なによりも晴れの日のようなスカッと気持ちのいいゴルフができないので、私も雨が大嫌いでした。
ところが、この〝雨嫌い〞が、メジャー優勝の経験がある男子プロの話を聞いてから一変。そのプロいわく「雨は降っているんだから、その状況を受け入れて慣れていったほうがいい。積極的に雨に打たれるくらいのほうが雨の対策を見つけることができるよ」とのこと。昔のプロは「雨の練習ができてゴルフがもっとうまくなれる!」と、大喜びでコースに飛び出していったそうです。たしかに「晴れの日だったらこんなことはないのに……」は現実逃避。降っているのはしょうがない、起こったことは仕方がない、ですよね!
こういった物事に対する考え方は、ボジティブになるといった気持ちのことだけでなく、立ち居振る舞いなどの所作に現れます。スポーツを通じて学ぶことは多々ありますが、考え方が変わると行動も変わる。その行動は1年後には大きな差になって現れることを私自身、実感しています。
「ピンチはチャンス!」は、窮地に陥って沈んだ気持ちを奮い立たせる私の大好きな言葉です。雨の日のラウンドも考えながらいろいろなことを試して、今後のためのいい機会だと思ってください。この思考や行動で雨ゴルフを楽しんだ人は、まさに「ピンチがチャンス!」に。これまで雨に向き合ってプレーした経験や知識を発揮するチャンス到来で、雨で気落ちして雑にプレーする同伴者やライバルとのスコアに大きな差をつけることができるはずです。「雨のゴルフは好き。だって勝てるチャンスが増えるから」とまでいえるようになるといいですね!
大谷奈千代
●おおたに・なちよ/1984年生まれ、兵庫県出身。05年のプロテストに合格。ステップアップツアー2勝、11年には賞金シードを獲得。現在はレッスンにやりがいを感じ、コーチに転身。アマチュアやプロの卵を精力的に指導している。