来季インディカー参戦のプレマ、カラム・アイロットの起用を発表。F2時代は角田裕毅のライバル

 2025年からインディカー・シリーズに参戦するプレマ・レーシングは、参戦ドライバーのひとりがカラム・アイロットとなることを発表した。

 アイロットは2018年にGP3(現FIA F3)でランキング3位、2020年にはFIA F2でミック・シューマッハーや角田裕毅らと争いランキング2位となるなど、ジュニアフォーミュラで多くの実績を残してきた。F1昇格こそ叶っていないが、2021年シーズン終盤にインディカーデビューを果たし、2022年、2023年とフンコス・ホリンジャーでフル参戦。今季はアロー・マクラーレンからインディ500などにスポット参戦した。

 プレマと言えば、F2やF3といったジュニアフォーミュラで数々頂点に立った名門チームである。アイロットも2017年のF3ヨーロッパ選手権でプレマに所属しており、同年はランキング4位を獲得した。

 プレマのチームオーナーであるレネ・ロジンは、アイロット加入に際して次のようにコメントした。

「我々の歴史の新たな1ページに向けて、カラムを再び迎え入れることができて本当に嬉しく思う」

「F3では彼と素晴らしい時間を過ごし、その後も彼には常に注目していた。過去には我々との相性の良さも証明しているし、彼としてもやり残したことを取り戻すような気持ちになると思う」

「彼は参戦したあらゆるレースで、その卓越したスピードスキルを証明してきた。加えて、インディカーでの経験値も貴重な財産になるだろう。再び手を組むチャンスが巡ってきた今、我々はそれを最大限に活用する決意だ」

 今年はWEC(世界耐久選手権)のハイパーカークラスにJOTAから参戦して12号車ポルシェ963 LMDhで優勝を飾るなど、活躍の場を広げているアイロット。2年ぶりのインディカーフル参戦についてこう語った。

「プレマと一緒に、彼らのアメリカでの第一歩であるインディカーを経験できるというのは信じられないようなチャンスだ」

「なんて素晴らしいチャンスなんだろう。僕はレースが大好きだし、このマシンもこのチームも大好きだ。イタリアの家族のようなチームに戻ってこられて嬉しい。これから特別な何かを築き上げていくためには多くのハードワークが必要だけど、チームに加わって一緒に何ができるか楽しみだ」

 そして、プレマのインディカー部門でCEOを務めるピアーズ・フィリップスも次のようにコメントを寄せた。

「カラムをインディカーチームに迎え入れることができるということで、大変楽しみだ」

「彼のこのシリーズでの経験は、我々チームがヨーロッパで築き上げてきた実績とアメリカで学んだことをうまく融合させる上で貴重な財産となるだろう。我々はカラムが非常に才能のあるドライバーであることを知っているが、彼のプロフェッショナリズムがこのシリーズでいかに成熟したかも理解している。彼が共有してくれる情報やフィードバックは、彼の素晴らしいレーススキルと同様に非常に重要なものとなるだろう」

 なおプレマは先日、インディカーにおけるカーナンバーとして83番と90番を使用することを明らかにしているが、アイロットがそのどちらになるかは分かっていない。

 またもうひとりのドライバーについても発表されていないが、ロジン代表は7月の段階で、先日ウイリアムズF1から放出されたローガン・サージェントと話をしていることを認めていた。またロジン代表は当時、ドライバーラインアップの構想について「経験豊富なドライバーをひとり、ルーキーもひとり」としていたが、アイロットを“経験豊富なドライバー”とするならば、ふたり目はインディカー参戦経験のないサージェントというのも構想と合致する。