ベアマン&コラピントは俺たちが育てた! F1ルーキーの活躍にF2のミシェルCEOも満足げ「ピラミッド構造が機能している証」

 F1アゼルバイジャンGPでは、共に参戦2戦目であるルーキーふたりが入賞して話題を集めた。オリバー・ベアマン(ハース)とフランコ・コラピント(ウイリアムズ)だ。彼らはフリー走行でクラッシュを喫したものの、予選ではチームメイトのタイムを上回り、決勝でも堅実なパフォーマンスを見せた。

 来季ハースからのレギュラー参戦が決まっているベアマンは、出場停止となったケビン・マグヌッセンの代役という形だったが、ガレージでも笑顔が多く、既にチームに溶け込んでいる様子を見せていた。一方で解雇されたローガン・サージェントに代わって後半戦を戦うコラピントも同じく活躍しており、抜擢したチームの期待に応えたが、来季のシートは現状なし。これはウイリアムズにとって悩みの種となっている。

 そんなふたりの活躍を最も喜んでいるのは、彼らが参戦してきたF2とF3のCEO、ブルーノ・ミシェルかもしれない。彼はF1直下のシングルシーターのピラミッド構造としてF2とF3があることは、若手ドライバーのステップアップに効果を発揮していると指摘した。

「結局のところ、なぜピラミッドがあるのかという話だ。それはドライバーがF1に参戦するにあたって、準備ができているかを確認したいからだ」

 ミシェルはそう説明する。

「先週のバクーでは、ふたりのF2ドライバーがF1にステップアップして最初のレースでいきなりポイントを獲得した。まあ、厳密には最初のレースではないのだが、デビューしたばかりで……ということだ。これはピラミッド構造が機能している証で、重要なことだ」

 F2には今季新車両が導入され、F1で使用されているマシンにより近付けることが目指された。F3でも同様に来季から新車両となるが、ミシェルはこういった動きが若手ドライバーのステップアップをさらに助けるものになることを期待している。

「我々は、F3マシンとF2マシンがよりF1に近付いていることが正しい動きであるということ、そしてドライバーたちがマシンだけでなく、F1のレースウィークにおけるあらゆる経験を積めるようにすることを保証したい」

「週末のフォーマットは、異なる環境で仕事をすること、そしてサーキットでの走行時間が短いことなども重要だ。ドライバーがF1参戦に向けて準備が整うように我々がしていることはたくさんある。もちろん、タイヤもドライバーの進歩に重要な役割を果たしている。エアロダイナミクスだけでなく、マシンが持つあらゆるシステムが重要なのだ」

「そしてドライバーはDRSを使うことになる。つまりFIAがレースコントロールや監視システムを通して作り出している環境も経験していく。これら全てのことが、ドライバーがF1にたどり着いた時に路頭に迷わないための準備となる」

「これはF3からF2へ、F2からF1へと進んでいくドライバーの準備において、最も重要なことだ」