井戸水を使用している銭湯『金町湯』(東京都葛飾区金町5-14-9)が、インターネット上で大きな注目を集めている。

<金町湯公式サイトによる紹介文>

「初代が、1943年に創業し 2021年9月10日リニューアルオープン。金町に残る銭湯も当湯のみ。地元の方々はもちろん、様々な方の日常に寄り添う銭湯を目指して、日々、お湯を沸かしております。お湯やお水は軟水の井戸水を使用し お肌をいたわってくれます」

そんな『金町湯』が、公式Xで「ご報告とお願い」と題し、長文のコメントをツイート。当面、休業をするという。

<金町湯のツイート>

「9月18日、3代目の父が逝去いたしました。64歳でした。

入院中も最後まで、「お客さんは来てるか?」などとお店の心配をしていて

私としては、お見舞いなどのことも考え

営業するかどうかを悩んでいた時にも、

できるだけ開けるようにと言われていたので、

定休日を増やすという形で営業しておりました。

休業が増えてしまいましたが

おかげさまで最後の方は、付き添うことができました。

継いでからわずか4年経たずしてのことで

あの時こうしていたらどうだったのか、

もっと早く無理にでも病院に連れて行けばよかった、

体調の異変に気づけなかったのか、タバコをやめてくれていたらなど、

たらればを考えるとキリがありません。

少しでも長く、父と一緒にお風呂を沸かしたかったです。

体調を崩してからわずか1ヶ月、容態が急変してから2日で

本人も家族もみな、気持ちの整理もつかぬうちに亡くなってしまいました。

今だに実感がわかないですし、この現実を受け入れたくない気持ちでいっぱいです。

今年になって、孫も生まれ

まだまだこれからという時に、父の無念を考えると胸が張り裂けそうです。

銭湯を継ぐことを決意して伝えた時

「おぉ!なに、ほんとに!?継ぐの?」と言って

驚きながらも嬉しそうだった顔と声は忘れられません。

孫が生まれた時の「お前も父親かー」とボソッと言っていたことも

やけに耳に残っています。

父は、すぐにでも店を開けろと言っているかもしれませんが、

家族で休む時間、悲しむ時間、気持ちを整理する時間を少しいただければと思います。

長くなってしまうかもしれませんが、その際は、ご理解いただけますと幸いです。

生前、父がお世話になった方々には、このような形ではございますが

代弁して御礼申し上げます。お世話になりました。

そして、日頃よりご利用いただいているお客様へも御礼申し上げます。

いつも、ありがとうございます。

引き続きのご愛顧を何卒、お願いいたします。

まだまだ未熟で至らない点も多く、不安なことは多いですが

父が心配しないよう、父からそれでいいと言ってもらえるよう

家族で協力し合い、私自身もできる限り精進いたします。

皆様で気持ちよく同じ釜の湯に入れるようになるまで、少々お待ちくださいませ。

お電話や各種のお問い合わせもお控えいただき、そっとしておいていただけますと幸いです。

営業再開の際は、店頭掲示および各SNSでお知らせいたします。

ご報告しておいて、身勝手ではありますが

再開した際は、お気を遣わず、いつも通り何事もなかったかのように

ご利用していただきたく存じます。

ご迷惑、ご不便をおかけいたしますが

何卒、よろしくお願いいたします」



ツイートの文から、銭湯の中の人の人柄の良さが垣間見れる。人が良いからこそ、多くの人たちに愛される銭湯なのだろう。

営業が再開されたらぜひ楽しみに行きたい銭湯

銭湯として『金町湯』は人気で、ニュースメディアやYouTube動画などでも多く紹介されている。サウナも実に気持ちよさそうだ。営業が再開されたら、ぜひ楽しみに行きたい銭湯である。



※記事画像は金町湯の公式Xツイートより引用

(執筆者: クドウ秘境メシ)