日高屋は庶民の味方であり、庶民のオアシス。なんていったってラーメンは安いし、定食はボリューミー。酒に至っては生ビールも含めてだいたい300円台だし、おつまみなんかは100円台のものもある。

こんなにありがたい店が首都圏にはたくさんあるんだから、首都圏での暮らしも悪くないよな。

そういえば前には日高屋で1000円ポッキリ飲みなんて企画もやったなあ。2杯飲んで、しっかりおつまみをつまんで1000円ポッキリ。こんな酒飲みどもに優しいチェーン店があるかよ。

でもサッと立ち飲みをするのなら、日高屋よりさらに適性の高い店があるんですわ。それは、日高屋の立ち飲み業態「焼鳥日高」

日高屋系列の焼き鳥屋「焼鳥日高」

日高屋は関東一円に数え切れないほどあるけど、「焼鳥日高」は日高屋の公式サイトを見る限りまだ32店舗しかないらしい(2024年9月現在)。きっと存在自体を知らない人もいっぱいいるだろうし、実際僕も近所にはないのでなかなか行く機会がないんだよな。

ところが先日、仕事で大宮に出かけたら帰り際に「焼鳥日高」を発見。そうか、そういえば大宮は日高屋発祥の地だった。しかもこの短冊メニューがビタビタに貼られた入口と赤ちょうちんが魅惑的すぎる。こりゃもう軽く寄っていくしかないだろと。

焼き鳥だけでなくおつまみに特化

今回入った大宮すずらん通り店は細長い店内にカウンター席が並ぶ完全立ち飲みスタイルの店。その長いカウンターの上に短冊のメニューが整列するように貼られている様は壮観ですわ。

でもたぶん、これでもメニューを全部貼り切れていないんじゃないかしら。そのくらいおつまみメニューが充実してるし、どれも安い。

定番メニューだけでもすごい量だけど、どうやらタッチパネルの「おつまみ」ページ以外にも「おすすめ」として限定メニュー的なものも載っている模様。やっぱりいいなあ。とりあえず何か一品注文しようかと思ったけど、こりゃひとまずビールでも飲みながらじっくり考えるとすっか!

生ビール中ジョッキは税込330円

きたきた。生ビールの中ジョッキは税込み330円。しかもお通しはついてこない。ゆえに千円札1枚でしっかり3杯飲めちゃう。ビールは泡の比率も、主張しすぎない冷たさも、すべてが完璧。こういうのがいいんですわ。

クラフトビールとか、注ぎ方にこだわったビアバーで飲むビールもいいけど、立ち飲み屋のビールでしか得られない栄養というものがあるんだろうな。五臓六腑に染み渡り、一日の疲れをそっと癒やしてくれる生ビール。これを最高と言わずして何を最高と呼べばいいんだろうか。

気がつけば目の前のタッチパネルも「今日も1日おつかれさま!」とねぎらいの言葉をかけてくれてるぞ。ありがとう。まさにここはオアシス。もはやリラクゼーションサロン。こちらこそ、毎日こんなお店を開けてくれててお疲れさまと言いたいよ。

安くて堅実なうまさのおつまみ群

そして悩んだ末に今回選んだのは「ねぎま串(塩)2本」「揚げなす 生姜添え」「ウインナースパイシー揚げ」の3品。このトリオで税込750円。ありがてえ。

看板メニューの焼き鳥はねぎまを頼んでみたら、肉質がプリップリで文句なしのウマさ。2本セットで注文しなきゃいけないルールだけど、結局1本で注文してもおかわりしたくなる実力の持ち主だ。絶妙な塩加減もウマいし、味噌をつけるのもアリ。

でも今回のMVPだったのは「ウインナースパイシー揚げ」。どんな姿で出てくるのかあまり想像がつかなかったけど、フタを開けたら揚げウインナーにスパイスをガッツリと振りかけたものが出てきた。

まず揚げ具合が完璧で、ウインナーの皮はカリッとしてるのに、揚げ過ぎによるウインナーそのものの味の劣化がない。パリッとしつつもジューシー。そしてそこに振りかけるヤミツキ系に調合されたスパイス。酒泥棒というか酒強盗。ソーセージを食べたあとの余韻だけで2〜3口は飲める。

揚げなす生姜添えもよかった。まあこれは見た目の通り、なすを揚げたものに鰹節をかけて生姜を乗せたものであり、それ以上でもそれ以下でもない。想像できる美味しさ。でもそれでいい。安いおつまみを堅実に、思い描いた通りの味に仕上げてくれてる。意外性なんていらないこともあるのよ。文句なしでウマい。

何でもないようなことが幸せだったんだなあ

サクッとビールを2杯飲み、おつまみ3品をおいしくいただき、会計は1410円。満足度の高さからは考えられないほどに安い。焼鳥日高で仕事帰りに一杯やって帰るだけでこんなに幸せな気持ちになれるものなんだなあ。

つらいことがあったら日高屋に、もしくは焼鳥日高に行きゃあいい。日高屋には幸せが転がっているんだ。

(執筆者: ノジーマ)