今さらだけど「月経カップ」を使ってみた / 超便利だけど災害時の利用は「厳しい」と断言できるワケ

女性にとっては月に1度のお付き合いである「月経」。1週間ほど続く不快な時間を少しでもマシにするために、生理用品は進化している。

ナプキン、タンポンに続く第3の生理用品として数年前から話題になっているのがシリコン製で再利用可能な「月経カップ」である。

生理中の入浴とかジム通いに便利そうなので興味はあったが高くて手が出せずにいたところ、2500円と安価なものを発見したので、今さらだが使ってみることにした。

実際に使ってみたら使用感が想像以上によくて革命的だったのだが……!

・思った以上に使用感がいい

使い捨ての生理用品と違って、洗って再利用が可能なシリコン製の「月経カップ」。

私がドラッグストアで買ったのは「Nopra Cup(ノプラカップ)」というもので約2500円だった。初心者向けの取り出しやすいリング型で、サイズはS。

とはいえ、一般的な生理用品よりもかなりサイズが大きいことにビックリする。赤子が通る場所なんで、こんなカップぐらい余裕のよっちゃんなんだろうけども。

これをグニャッとおりたたんで、股間に入れるという。折りたたんだカップが中でしっかり広がればOK……という感じ。

ネットでは、慣れるまでは入れるのに苦労したという声も多い。

タンポンを使うのに慣れている人なら割とコツをつかみやすいけど、ナプキン派の人とか、若い人は苦労するかもしれない。

うまいこと入れないと漏れてしまいそうだし、うまく使えても最初は股間に違和感があったのでかなり不安だったのだが……。

驚くことに、ジャストな場所に入ったらまったく漏れが無かった!

また、時間が経つと違和感もなくなって何もつけてない感じになるので、思った以上に快適でビックリした。

うまくいくと、マジで漏れない。濡れたナプキンで冷えて腹痛がひどくなったり、デリケートゾーンがかぶれてしまう人なんかにはおすすめ。

これ、風呂とかプールのときに便利だな……。旅行前にいきなり生理が来たとか、あとはホットヨガやプール、ジム通いしている人にとってはかなり便利だと思う。

ただ、うまく入れられないときはかなり苦戦を強いられるのと、吸盤が吸い付いてるような状態なので外すときにけっこう力がいる……。外すときに「ズボ」っと派手な音がするのがネックか。

使用感はマジで想像以上に良かった! だが、しかし……。

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・災害中に使いづらい理由

ネットだと、災害時の生理用品問題とか、若者の「生理の貧困」問題がよく議題に上がる。

その中で、たまに「再利用可能な月経カップを使ったらええやん、SDGsやん」的な解決方法が提案されることがあるが、実際使ってみて「それは無理だと思うぜセニョール」って思った。

たしかに月経カップは便利なんだけど、災害時とか生理用品の節約には向かない点が多いのだ。

・そもそも高い

一般的な使い捨ての生理用品が1袋30枚入りで400円前後であるのに対し、月経カップの値段は平均でひとつ5000円前後。生理用品が10袋以上買える値段なのである。先行投資として考えるにしても高いし、生理期間を月経カップ1個でやりくりするのは厳しい。全員に配るのは現実的ではない。あとはやっぱり、体内に入れるものだから若い女性には厳しいだろうな……と思う。

・衛生面の問題

さらに、月経カップはデリケートゾーンに触れるため、使い始めと使い終わりの煮沸消毒が必須になっている。シリコンが劣化するうえに、アルコールがデリケートゾーンに触れたらヤバいのでアルコール消毒はNG。災害時はそもそも火が使えなかったり、水が貴重になっている。そんななかで、月経カップを煮沸消毒するのは厳しいだろう。

・取り外しの場所に気を使う

生理用品はトキシックショック症候群(TSS)を防ぐため、8時間を上限に取り替えることが推奨されている。ところが、月経カップをはずしたり、入れたりするときに手が汚れてしまう。さらに使ったあとのカップをきれいな水で洗わないといけない。水が貴重な被災地とか、公衆トイレでつけ外しをするのはけっこう難しいと思う。人の目もあるし。さすがに人がいるトイレの洗面所で月経カップを洗うわけにもいかないしな……。

水が使えない場合は、使い捨てのナプキンのほうが衛生的だと思う。