12.14中村憲剛引退試合は濃すぎる内容に。キングダムとのコラボユニ、豪華メンバー、“けんござんまい”、前夜祭開催、収益寄付...前代未聞のゲームに?

 9月20日、2020年シーズン限りで現役を退いた中村憲剛の引退試合に関する会見が行なわれ、現時点での概要が発表された。

 着用するユニホーム、参加予定選手、前日イベントなど“フロンターレ色満載”の濃すぎる内容も、これはまだ部分的だというのだからさすがである。

 中村憲剛が強調するテーマは「恩返しをする一日、感謝する一日」。そのなかで「収益は川崎のスポーツのために寄付をしたい」と表明し、「いろんな意味でみんなが楽しめる一日にしたいです」とメッセージを送った。
 
 もっとも、2020年シーズンを最後にピッチを離れてから4年。なぜ今、引退試合を開催するのか。そもそもの疑問に答えるところから会見は始まった。

「当時、引退した際には大きなセレモニーをしていただきましたし、(引退試合を)やるつもりはなかったのが正直なところでした。ただ2020年がコロナ禍で人数制限や声出し応援ができないなかで、引退をしまして、それは仕方のないことだと思っていましたが、引退してからファンサポーターの方からチャントを歌って送り出したかったと言っていただきました。

 そして(声出し応援が)解禁された際に僕のチャントを歌ってくれ、鳥肌が立ちまして。そこから気持ちが芽生えて話が進んでいきました。

 封じていた想いが一気に湧き出た形で、今年、川崎市は市政100周年なのでそこも一緒に盛り上げられるように、僕は川崎の皆さんに育てていただいたと思っていますので感謝の想いを込めて臨みたいと思います」

 そんな中村の想いを受けて、関係者総出で練っているのが「従来の概念とは一線を画す」引退試合である。

 合言葉は「NKF」(中村憲剛ファイナル、ファミリー、フレンズ、ファンの頭文字)」。キックオフは、「奇跡的に空いていた」という代名詞の「14番」にちなんだ2024年12月14日(土)14時(Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu)。

 では、その内容だが、まずは引退試合の前に13時からエキシビションマッチを開催。「なでしこフレンズ×ケンゴフレンズ」と題し、中村憲剛の小学生時代のチーム、府ロクサッカー少年団の先輩である澤穂希さんが率いる2011年のワールドカップ優勝メンバーらの「なでしこフレンズ」と「ケンゴフレンズ」が対戦。

「なでしこフレンズ」には現時点では宮間あやさん、小林弥生さん、海堀あゆみさん、鮫島彩さん、永里優季さん、阪口夢穂さん、田中明日菜さん、原菜摘子さんらが参加予定だという。
【画像】セルジオ越後、小野伸二、大久保嘉人、中村憲剛ら28名が厳選した「J歴代ベスト11」を一挙公開!
 そして本番の引退試合は、前半は「JAPANフレンズ(ブルー)×JAPANフレンズ(ホワイト)」、後半は「KAWASAKIフレンズ(ブルー)×KAWASAKIフレンズ(ホワイト)」として実施(45分ハーフ)。現役選手も出場する予定で、後半25分からは、中村憲剛の現役さながらの姿が見られそうな“ガチプレーTIME”が設定され、今からコンディションを整えているとのこと。

 ちなみにJAPANフレンズは、楢﨑正剛、栗原勇蔵、坪井慶介、加地亮、駒野友一、中澤佑二、今野泰幸、内田篤人、長友佑都、山岸智、山瀬功治、橋本英郎、松井大輔、稲本潤一、小野伸二、播戸竜二、高原直泰、大久保嘉人、我那覇和樹が参加予定で、KAWASAKIフレンズには、“川崎の太陽”と称されたジュニーニョも参戦する予定。ここにさらなる豪華メンバーが加わるという。

 また、それぞれのチームが着用するユニホームも話題を呼びそうだ。JAPANフレンズのデザインを担当したのは、中村と昔から親交があったという人気漫画「キングダム」の作者、原泰久氏。甲冑を身に付けた中村憲剛が描かれている貴重な一着だ。

 一方、KAWASAKIフレンズのユニホームを担当したのは、岩手県陸前高田市出身で、小学5年生の頃にフロンターレと出会い、その後、その成長した姿も紹介されてきた菅野朔太郎さん。陸前高田市にまつわるデザインが豊富に描かれている。

 さらに来場者全員には、サポーターから投稿してもらった写真を一冊にまとめた「中村憲剛メモリアルフォトブック」をプレゼントし、“前夜祭”としては12月13日(金)19時からKAWASAKIフレンズの公式練習も公開される予定。

 加えて寿司チェーン大手の「すしざんまい」を展開する喜代村社長の木村清氏が中村の中央大学の先輩ということで、「けんござんまい」も開催されるということで、会見ではあの“すしざんまい”ポーズも何度も披露。

 これだけ中身の詰まった引退試合もなかなかないだろうが、さらに追加発表があるというのだから…。

 中村憲剛が強調する「恩返しをする一日、感謝する一日」は、斬新で温かみがあり、フロンターレらしく、笑顔に溢れた内容になりそうである。

 今後は公式HPやSNSも順次更新され、さらなる情報が発表されるという。チケットは10月1日から段階的に先行販売されるとのことで、引退試合をサポートする「NFKクルー」も募集するとのこと。

 何から何まで斬新なイベントになりそうだ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
●公式HP
●公式X

【記事】「また観たいかっていうと観たくない」小野伸二、“ファンタジスタが消えた”現代サッカーに本音。中村俊輔の「生きにくくなった」に同調

【画像】ゲームを華やかに彩るJクラブ“チアリーダー”を一挙紹介!

【記事】「俺はもうサッカーは一切見ない」中田英寿が指摘する現代フットボールの問題点「分かっていない人が多い」