ゴルフにミスはつきもの。ただしミスには「通常のミスショット」と「対策できるミスショット」の2種類がある。後者を撲滅すれば、エイジシュートも夢じゃない!
エラーショットをなくそう
ゴルフはミスの出るゲームだ。どんなに警戒していてもミスは出る。それはゴルフ場がミスの出やすい作りになっているからだ。狭いフェアウェイ。左右に池とOBがわざと見えるように配置してあると、それだけで緊張して筋肉は強張り、気持ちよくスイングできない。しかも足元のライには微妙な傾斜がつけてある。「練習場ではうまく打てるのになあ」とボヤいてみても、練習場はうまく打てるように作られ、コースはうまく打てないように作られていることを理解しないとスコアメイクは難しい。
さて多くのアマチュアは、へんな当たりをすべて「ミスショット」のひと言で片付けるが、プロでもやるミスと、単なる不注意ミスに分けて考えようと提唱するのは、師匠の佐久間馨プロだ。たとえばピンがグリーンの右にあるのに左にオンしたとか、グリーンを外してもカラーから5ヤード前後にある場合は、次打でパーを拾える確率が高いので通常のミスショット。一方、残り100ヤード前後からアゴの高いガードバンカーに入れたとか、短いアプローチをザックリチョロするケースは、事前に状況をよく観察して対策をとれば避けられるミスだから、佐久間プロはこれを「エラーショット」と名付けた。むろんOBや池ポチャは典型的なエラーショット。スコアメイクにはこうしたエラーショットの撲滅が不可欠だ。
どうすればエラーショットを減らせるだろうか。技術的な対策としては、インパクト時のヘッドの高さのコントロールがある。練習場で人工マットにドスンと打ち付けている人は、コースでザックリチョロをやる可能性が高い。練習場では人工マットをこするように打っているか、ときにはティーアップした球をクリーンに打つ練習をしているか……。私の場合は、そうしたほんのちょっと意識を変えただけでエラーショットが激減した。ぜひ、練習時にヘッドの高さに意識をおいて打ってみるようお勧めしたい。
ところで、エイジシュートを目指すには5つの「K」が必要というのが私の持論だ。「健康」「金」「家族の理解」「交友」、そしてエイジシュートを出すぞという「気持ち」。このうち意外と難しいのが交友、いいゴルフ友達をもつことだ。歳をとると長年のゴルフ仲間はどんどん脱落していく。そんなときは同年輩の集まりを積極的に見つけよう。
私は「TYCC金曜会」というコンペに参加している。毎月第4金曜日に東京よみうりCCでコンペを開いて、もう200回を数える歴史ある集まりだ。会長の田中菊雄さん(85)はエイジシュート通算800回の達人でメンバー全員の目標になっている。
「メンバーは男女合わせて40名。平均年齢は74歳ですが、みなさん和気あいあいとして元気に楽しんでいます。入会条件はゴルフを楽しみたい人なら誰でもOK」と、幹事の久家博司さん(81)。同好の士と楽しみながら競い合うと目標は生き甲斐になる。
高橋健二
●たかはし・けんじ / 1948年生まれ。ゴルフライターとしてレッスンやクラブ情報などを執筆。HC8。
イラスト=丸口洋平