「ソシエダで最も輝いた」無得点ドローも好機量産の久保建英を現地メディアは最高評価! 10番ポジション起用には「彼はシルバではない」との指摘

 レアル・ソシエダは9月21日に行なわれたラ・リーガ第6節でバジャドリーに0-0で引き分けに終わったが、敵地でゴールのチャンスは幾度も生み出しており、それらの多くに久保建英が関わった。

【動画】久保建英、フル出場で先制ゴールの起点に! 3節アラベス戦のハイライト 定位置の右ウィングではなく、4-4-2での10番ポジションで先発出場した久保は、ゴールには結びつかなかったものの、積極的な仕掛けから幾度か効果的なドリブルやパスで得点機を味方に提供。81分に交代でベンチに退くまでに、ボールタッチ57回、パス34回(成功25回)、キーパス2回、ドリブル4回(成功2回)、タックル4回(成功2回)、ボールロスト7回、ファウル1回というスタッツを記録している(データ専門サイト『WhoScored.com』より)。

 現地メディアの評価では、マドリードのスポーツ紙『MARCA』が3点満点の採点で「2」(ソシエダではセルヒオ・ゴメス、マルティン・スビメンディが同採点で、他は「1」)を与え、「ラ・レアルは通常の4-3-3を採用するかに思われたが、4-4-2で試合に臨み。日本人選手はひし形の中盤に位置に、そこから多くの危険を生み出した」「非常に活発」とポジティブに評した。

 ただ、一方で「十分なチャンスがあったにもかかわらず、勝点3を獲得できないなんてありえないと、ソシエダは思っていたに違いないだろうが、シェラルド・ベッカーも、久保も、ミケル・オジャルサバルも、スビメンディも、そして他のソシエダの選手も、得点を決めることができなかった」と、結果については厳しく指摘している。

 同採点とした『as』紙は、「久保はバジャドリーのラウール・モロとともに前半の主役であり、それぞれのチームで攻撃のキーマンとなった。久保は試合に入るのに少し時間がかかったが、いったんリズムを掴むと、正確なパスと相手のプレッシャーを回避する動きで、チームの攻撃を牽引した」と、その働きを称えた。

 また個別評価の記事では、「ソシエダで最も輝いた選手。幾つかの場面では、まだ完全に調子が良いわけではないことを示したものの、彼のプレーはファウルでしか止められなかった。ベッカーやオリ・オスカルソンに何度か明確なチャンスを提供した」と、賛辞をまじえて久保のプレーを総括している。
  続いてバルセロナのスポーツ紙『MUNDO DEPORTIVO』は、久保の「全力を尽くしました。チャンスがあったのにシュートを打てなかったことは、自分にも責任がありますが、できることは全てやりました。試合終了のホイッスルが鳴った時、勝てなかったことがショックで動けませんでした」とのコメントを紹介した。
 
 さらに個別評価では、彼のプレーを「機敏な動き」と表現し、寸評では「久保にとってはあまり慣れていないポジションである中盤でプレー。前線全体を活発に動き、良いパスを受けたり、出したりした。オスカルソンに絶好のゴールチャンスを提供した」と綴っている。

 日刊紙『El Pais』は、久保が序盤に演出した決定機に注目し、「ソシエダの素晴らしいプレー! 久保が3人の選手を抜いてゴールライン際に到達し、ファーポストのオスカルソンにパスを出したが、シュートはジェンク・オズカジャルがクリア。こぼれ球をホン・アランブルが詰めたが、これはGKカール・ハインがブロックした」と、この場面を伝えた。

 ソシエダ地元バスクの日刊紙『noticias de Gipuzkoa』は、イマノル・アルグアシル監督が採用した4-4-2を検証する中で、「久保はダビド・シルバではない。ソシエダのダイヤモンド型の攻撃において、シルバがピッチにいた時、チームは長いパスの連続で試合を支配し、相手を混乱させ、ボールを失った際の守備を容易にした。対照的に、久保は常にプレーを加速しようとする電光石火の動きを持っており、チームはそのプレースタイルの恩恵を受ける一方で、ボール保持が失敗した際にはより脆弱になった」と指摘している。

 それでも、攻撃時には久保が「素晴らしいパス」でチャンスを生み出したことを伝えた同メディアは、10点満点の採点でチーム最高タイの「6」を与え、「10番として非常にアクティブで、相手を翻弄するプレーを見せた。良い動きがあり、得点に繋がり得るパスも幾つか出したが、フィニッシュが欠けていた」と称賛した。

 最後にサッカー専門サイト『El Desmarque』は、「いつもとはポジションを変え、攻撃的MFとしてプレーし、インサイドに侵入する姿が見られた。日本人選手は危険な場面や良いプレーを創出。オスカルソンに良いパスを通し、それがCKに繋がった。素晴らしいプレーだった」と彼の81分間を振り返り、採点はこちらもチーム最高タイとなる「8」としている。

構成●THE DIGEST編集部

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