男子テニスツアー「杭州オープン」(9月18日~24日/中国・杭州/ハードコート/ATP250)は大会最終日の現地24日にシングルス決勝を実施。右ヒザのケガからのカムバックを遂げた元世界ランク3位のマリン・チリッチ(クロアチア/大会時777位)が地元勢のジャン・ジジェン(中国/同48位)を7-6(5)、7-6(5)で下し、自身21度目のツアー優勝を飾った。
2度の右ヒザ手術を経験している35歳のチリッチは、今年2月の「アルゼンチン・オープン」(アルゼンチン・ブエノスアイレス/クレー/ATP250)を最後に戦線を離脱。懸命なリハビリを経て、8月中旬の下部大会「ラファ・ナダル・オープン」(スペイン・マナコル/ハード/ATPチャレンジャー75)でおよそ半年ぶりに実戦に復帰していた。
そしてアルゼンチン・オープン以来のツアー公式戦出場となった今大会、本戦ワイルドカード(主催者推薦)で参戦したチリッチは2回戦で西岡良仁(大会時54位)にストレート勝ちすると、準々決勝では予選勝者の内山靖崇(同160位)に2本のマッチポイントを握られたところから逆転勝利。勢いそのままに準決勝でもブランドン・ナカシマ(アメリカ/39位)を破って決勝へ駒を進めていた。
迎えた決勝では試合を通して互いに2度ずつブレークポイントをセーブ。第1、2セットともにタイブレークにもつれ込む接戦となったが、いずれもチリッチが持ち前の攻撃力を発揮して制し、1時間50分で勝利を収めた。
チリッチのツアーレベルでの優勝は2021年10月の「サンクトペテルブルク・オープン」(ロシア・サンクトペテルブルク/インドアハード/ATP250)以来実に3年ぶり。そして世界777位でのタイトル獲得は、1990年のATPツアー創設以来、史上最低ランクの記録である。
ATP公式サイトでは復活優勝を飾るとともに、大会後のランキングで777位から一気に212位へと浮上したチリッチの喜びと感謝の言葉を次のように紹介している。
「家族や息子たち、妻、そしてこの困難な時期に私と一緒にいてくれた全ての人に感謝している。彼らは毎日私と一緒に(トレーニングに)取り組んでくれて、私を励まし、強さと精神力を与えてくれた。この勝利を私だけでなく、彼らのためにも手にすることができてとてもうれしく、誇りに思う。ここ数カ月は私にとっては厳しい時期だったし、ランキングも落としたことであまりプレーできなかった。だからワイルドカードでチャンスを与えてくれた主催者側に心から感謝している」
今週は休む間もなく「木下グループ ジャパンオープン」(9月25日~10月1日/日本・東京/ハード/ATP500)に出場するチリッチ。その初戦ではジュニア時代から切磋琢磨してきた元世界4位の錦織圭(現200位)との16度目の対決を迎える。チリッチの体力が少々心配だが、日本のファンの前で両者が素晴らしいバトルを繰り広げてくれることを期待したい。
文●中村光佑
【動画】チリッチがジャン・ジジェンを破って優勝を飾った杭州オープン決勝ハイライト
【画像】チリッチは男子複で銀メダル! 東京オリンピック・パラリンピックのテニス競技のメダリストたち
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