開催中のテニスツアー「中国オープン」(9月25日~10月6日/中国・北京/ハードコート/WTA1000)で、女子シングルス1回戦を快勝した大坂なおみ(世界ランク73位)が、新コーチについて語った。
元世界ランク1位の大坂は、1回戦でルシア・ブロンゼッティ(イタリア/同77位)を6-3、6-2のストレートで破り2回戦に進出を果たしたが、この試合をプレーヤーズボックスから見守ったのが新コーチのパトリック・ムラトグル氏(フランス/54歳)だった。彼をチームに招聘したことについて、大坂はこう話す。
「私はいま、人生を後悔したくない、というステージにいると思う。何かの引き金を引きたいし、『失敗した』とは言いたくないけど、キャリアのこの段階ではできるだけ多くのことを学ぶ必要があると感じているの」
全米オープンを2回戦で終えた大坂は、長らく苦楽を共にしてきたウィム・フィセッテ氏(ベルギー/44歳)とのコーチ契約解消を今月14日に発表していた。
2019年12月から22年7月までの期間には、全米オープンと全豪オープンの連続優勝を達成し、産休をはさんだ23年10月からは、ツアー復帰とスピーディなランキング向上に成功。そんな名コーチからの変更も、「人生を後悔しない」ための新しい挑戦にほかならない。
ムラトグル氏は、世界的なテニス・アカデミーを経営しているほか、スポーツメディア『ESPN』や『ユーロスポーツ』の解説者としても活躍。
テニスコーチとしては、かつてアナスタシア・パブリチェンコワ(ロシア)やグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)の指導で実績を残し、なにより元女王セレナ・ウィリアムズ(アメリカ)のコーチを長期間務めたことで知られている。2018年の「全米オープン」でセレナが大坂と戦ったあの決勝でも、セレナ側のボックスにいたコーチはムラトグル氏だった。
大坂は当初、セレナのコーチであり、個性も強烈なムラトグル氏との契約を躊躇していたという。
「でも実際に彼に会って、話しをして、コートで仕事をしてみると、彼は本当にいいコーチでした。パトリックは自分が学びたかった知識を持っているように見えます」
新チーム体制はまだスタートしたばかり。ムラトグル氏との関係構築にはまだ時間は必要だろうが、ケミストリーが生まれた先にはどんな可能性が広がるのだろうか。
構成●スマッシュ編集部
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