男子バレーボール日本代表の主将・石川祐希が、イタリア初タイトル獲得にMVP受賞で華を添えたスーペルコッパ。現地9月25日に所属先シル スーサ ヴィム・ペルージャ主催の大会3連覇を祝うイベントが行なわれた。勝利に大きく貢献した石川もチームメートらとともに出席して大いに盛り上がった祝勝会を現地取材した。
会場は、ペルージャとパートナーシップを結ぶ地元カーディーラー、『Toy Motor』社のトヨタ・ショールーム。メインエントランスへ向かうと、クラブのマスコットキャラクターがプリントされたバナーが目に飛び込んできた。そして、入場口には子どもから大人まで、クラブが今季1冠目をともに祝おうと招待した大勢のサポーターたちが列を作っていた。観客席からエネルギーを送り続けるあの熱烈な応援とコートで戦うチームの一体感。その絆の源には、ファンを大切にするクラブの姿勢があるのだろう。
イベントはイタリアらしく(笑)1時間半遅れでスタート。ジーノ・シルチ会長がチームスタッフ全員とともに優勝報告を終えた後、選手たちの到着を待ち切れない様子のサポーターたちが応援歌を大合唱し始めた。すると、“シル・ペルージャ!”のレスポンスを期待した司会者が、「皆な、だれを待っているんだーい?」と呼びかけた。そこで、ペルージャサポの “イシカワ愛”を実感する予想外の出来事に遭遇。沸き起こったのは、「イーシーカーワー!!!」の声だった。“早くユウキに会いたいんだ”そんなサポーターたちの思いに触れて感極まった。同時に周りが気になる事態でもあったが、隣にいたチームスタッフのひとりに肩を叩かれ目が合うとウィンクを送ってくれ、気づいた時に会場はペルージャコールに包まれていた。
そして、いよいよ選手たちの入場。2人ペアで車に乗り到着すると、サポーターやジュニアチームの選手たちとタッチを交わしながら花道を通り、スーペルコッパのハイライト映像が流れる壇上へ。石川が、同じく新加入でトップリーグ初挑戦の若手アウトサイドヒッター、二コラ・チャンチョッタ(イタリア)と6台目の車から降り立つと歓声が一際アップした。
【画像】パリ五輪に挑んだバレーボール男子日本代表メンバーを一挙紹介! 1選手ごとにジョークを挟んで和やかな雰囲気で行なわれた短いインタビューで石川は、集まったサポーターを「最高!最高!」と称え、ペルージャで何か美味しいものと出会ったか?の問いには、「いや、まだ」と返答。好きなイタリア料理は、日本のファンも知る「パスタ!」と答えて拍手喝さいを浴びた。MVP受賞については、「皆のお陰で良いスタートが切れました」と感謝を述べ、最後に溢れる個性が魅力の会長は「ファンタスティック!」と笑顔でコメントして再び会場を沸かせた。
今季は、1冠目のスーペルコッパにリーグ戦とコッパイタリアの国内3大会、さらにチャンピオンズリーグで欧州の頂点を狙うペルージャ。会長が冒頭の挨拶で、「今季、我々は出場するすべての大会で優勝候補に名前が挙がることになるだろう。だからこそ慢心は大敵」と兜の緒を締めた。その言葉に一瞬、会場の空気が緊張に包まれたことも記しておきたい。
例に漏れず最後までステージ上でファン対応していた石川がフロアへ降りたところで司令塔の主将・シモーネ・ジャンネッリに声をかけ、ツーショットをカメラに収めて取材を終えた。多くの目標に挑むチームのキーマンになるであろう2人。優勝カップを前に並ぶ姿を新たに撮影する日を楽しみに、来年初夏まで続く石川とペルージャの今季を追いかけたい。
現地の今週末に、レギュラーシーズンがいよいよ開幕。ペルージャは本拠地で(日本時間30日午前0時30分開始予定)でラーナ・ヴェローナを迎え撃つ。
取材・文●佳子S・バディアーリ
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