大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)とアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)が絶好調だ。現地9月27日を終えた時点で両者は本塁打と打点でリーグトップを独走し、タイトルをほぼ当確している。残るは首位打者争いで、ラスト2試合で大谷は打率.309でトップと5厘差の2位、一方のジャッジは打率.325の7厘差で3位につけており、メジャー12年ぶりの三冠王を達成するのか。熱い視線が注がれている。
メジャー史上でも極めて稀な、前例のないハイレベルな争いを繰り広げている大谷とジャッジ。100年以上の長い歴史を誇るMLBでも三冠王を達成した選手は過去18人と決して多くなく、直近で達成したのは2012年のミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース)が最後だ。初の三冠王に輝いたのは1878年のポール・ハインズ(プロビデンス・グレイズ)で、1909年には「球聖」と呼ばれたタイ・カッブ(タイガース)、34年は”鉄人”ルー・ゲーリッグ(ニューヨーク・ヤンキース)など草創期から20世紀前半の記録が占めており、ナ・リーグでは37年のジョー・メドウィック(セントルイス・カーディナルス)以来、87年間も三冠王が生まれていない。
メジャーのなかでも一握りといえる三冠王。特に大谷の打撃三冠の可能性について、MLB公式サイトのアンドリュー・サイモン記者は「オオタニの勝ち目はジャッジより低いと思われていた。しかし、マーセル・オズーナ(アトランタ・ブレーブス)が3打数無安打に終わった一方で、オオタニが5打数4安打4打点と大活躍したことで、その差は消え去った」と驚きの声を上げ、打率.314でトップを走るルイス・アラエス(サンディエゴ・パドレス)との熾烈な首位打者争いを次のように見立てている。
■大谷とアラエスが残り2試合のうち、1試合に出場した場合(※同点の場合は小数点以下第4位まで表示)
・ 大谷が5打数4安打(打率.3133)→アラエスが5打数1安打(打率.3129)以下であれば、大谷の勝ち
・ 大谷が5打数3安打(打率.3117)→アラエスが5打数0安打(打率.3114)以下なら大谷の勝ち
■大谷とアラエスが残り2試合のうち、2試合に出場した場合(※同点の場合は小数点以下第4位まで表示)
・大谷が9打数6安打(打率.3145)→アラエスが9打数3安打(打率.3141)以下なら大谷の勝ち
・大谷が9打数5安打(打率.3129)→アラエスが9打数2安打(打率.3125)以下なら大谷の勝ち
・大谷が9打数4安打(打率.3113)→アラエスが9打数1安打(打率.3110)なら大谷の勝ち 数字だけを見れば、首位打者争いはアラエスが有利だと言わざるを得ない。しかも、同選手は現地27日のアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦で5打数3安打の固め打ちで、さらに数字を上げてくる可能性は大いにある。しかし、大谷も9月だけで打率.398(98打数39安打)10本塁打32打点、OPS1.270と超異次元な数字を叩き出し、ここに来て猛烈な追い上げ。大逆転での首位打者も夢ではない。
サイモン記者は「最も重要なことは(特に大谷は)、最後のひと押しで三冠王を手にする可能性がある。それは、ライバル投手たちからの助けが必要だからだ」と指摘。つまり、ワイルドカード争いで一戦も落とせない死に物狂いのダイヤモンドバックス投手陣と対戦するアラエスよりも、チーム防御率が全30球団で断トツ最下位(5.44)のコロラド・ロッキーズと対峙する大谷の方が有利だと論じている。
事実、大谷は標高が高く「打者天国」と称される敵地クアーズ・フィールドで54号アーチを含む5打数4安打4打点と大爆発。打率.309、130打点にまで数字を伸ばした。無双状態が続く今の大谷なら、夢の「メジャー三冠王」も現実にしてくれるかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部
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