RAW編集ソフトウェア「DxO PhotoLab 8」公開。強化されたトーンカーブツールなど兼ね備えたノイズ除去とディティール抽出を実現

DxO Labsは、RAW画像処理および補正ソフトウェア「DxO PhotoLab 8」を発表した。DxO PhotoLab 8(Windows版およびmacOS版)は、DxOのWebサイトダウンロード購入が可能。

  • DxO PhotoLab 8:税込27,900円
  • DxO PhotoLab 8 v6およびv7からのアップグレード:税込13,500円
  • DxO PhotoLab 8およびDxO FilmPack 7:税込34,900円

バージョン 8は、ノイズ除去およびディティール抽出技術の第二世代となる「DeepPRIME XD2s」を新たに搭載。 また、大型のライブプレビューを提供する「ルーペ」も新たに追加。さらに、精密な部分調整を可能にする色相マスクと、フォトグラファーに独自のスタイルと優れたコントロールをもたらす、強化されたトーンカーブツールも導入されている。

Jean-Marc Alexia製品戦略担当副社長は次のようにコメントしている。

これは情熱を持つすべてのフォトグラファーにとって、究極の編集ソフトウェアです。ノイズ除去とディティール抽出はかつてないレベルに達しており、一新されたツールと新しい機能によって、フォトグラファーはこれまで以上に高い精度で編集を行うことができるでしょう。

RAWサイエンスの限界を押し広げる「DeepPRIME XD2s」

DeepPRIME XD2sは前例のないレベルのノイズ除去とディティール抽出が可能。フォトグラファーは高いISO設定を使用し、古いショットには新たな息吹を吹き込み、最新のカメラでもかつて見たことのないほどの画質を楽しむことができるという。

改善されたレンズのソフトネス補正

DxO光学モジュールは各レンズの画角全体と焦点距離全域におけるパフォーマンスを計測して開発された、レンズ欠陥の自動補正するモジュール。レンズの特性に応じた正確かつ段階的なシャープニングレベルを実現可能。

PhotoLab 8では、レンズのソフトネスに関する独自の新アルゴリズムにより、高周波領域にフリンジアーティファクトを発生させることなくディティールを抽出することで、新次元のパフォーマンスを実現しているという。

RAWデノイジングとデモザイキングをフル画質でプレビュー

DeepPRIMEエンジンによって画像がどのように改善されるかを、フォトグラファーに正確に提示する大型ライブプレビュー用「ルーペ」を始めとする、さまざまな改良が加えられている。例えば、DeepPRIME XD2のプレビューだけでなく、露出、ClearView、スマートライティング、トーンカーブなどもプレビュー可能。

こうしたツールは、フォトグラファーがノイズ除去のパフォーマンスを即座に評価するのに役立つとしている。たとえば、DeepPRIMEを使って露出を一段上げる場合などに、画質をどのくらい向上できるかを確認することが可能。

最大倍率1600%のズームによって、フォトグラファーはトップクラスのデモザイキングとデノイジングのメリットを視覚化し、すべての編集の効果を確認することができる。これによって、これまでで最も包括的なPhotoLabワークフローが構築可能としている。

高い精度を実現する新色相マスク

部分調整をよりスマートに行う「U Point」テクノロジーに加え、PhotoLab 8には新しい色相マスク機能を搭載。 精密なマスクにより、フォトグラファーは個々の色相や色相範囲を選択して、ターゲットを絞った編集を行うことが可能。

最大限になめらかで、最も「写真的」な遷移を実現するために、細部を調整しようとするフォトグラファーは、8つの事前定義された色相から選択するか、画像から直接サンプリングしてマスクを設定することができる。さらに、こうして選択したマスク範囲をブラシ/消しゴムツールまたは入出力のマイクロコントロールを使用して微調整できる。

専用の輝度コントロールを備えた、ユニークかつ強化されたトーンカーブ

バージョン8では、フォトグラファーがトーンピッカーを選択して調整したいトーンに対応する画像部分をクリック&ドラッグし、画像上でコントロールを行えるようになっている。従来の赤・緑・青チャンネルに追加された輝度チャンネルを使用することで、フォトグラファーはカラーレベルに影響を与えることなくトーン調整が可能。これにより、輝度を変えた際に発生する不要な色かぶりや、予期しない色変化を避けることができる。

さらに、使いやすさを向上させるために4つの改善が行われている。第一に、調整の目安としてヒストグラムで表示。第二に、色の相関に基づいてそれぞれのグラフに2色ティントを適用。RGBチャンネルに変更を加える際に視覚的な手がかりが得られるようになった。第三に、カーブ上の各ポイントに、フォトグラファーが精密な調整を行えるように、直接編集できる数値を追加。 第四に、フォトグラファーは自分のプリセットを保存することができるようになった。

よりスマートで高速なワークフロー

編集をさらに正確に行えるようにするため、PhotoLab 8には新しい比較モードが導入された。このモードでは、ユーザーが基準となる画像を設定し、調整内容をマッチングさせることができる。

メインビューアーでは補正をよりスムーズに行えるように、新たに「補正ロールオーバー」が追加されており、カーソルをレンダリング設定(たとえば、カラーレンダリング、LUT、トーンカーブプリセットなど)の上に重ねると、その効果のライブプレビューが表示されるようになっている。さらに、ワークフローのスピードアップのために、画像の閲覧と読み込みが全体的に高速化されている。