元世界4位ガルシアがメンタルヘルスの不調で今季終了を報告「試合前の不安やパニック発作で疲れ果てています」<SMASH>

 女子テニス元世界ランク4位のカロリーヌ・ガルシア(フランス/現36位)が9月27日に自身の公式X(@CaroGarcia)を更新し、メンタルヘルスの不調により一足早く今季終了を報告した。

 これまでにツアー11勝を挙げ、2018年9月にキャリアハイの世界4位をマークした30歳のガルシア。22年には「ウェスタン&サザン・オープン」(アメリカ・シンシナティ/ハードコート)で自身2度目となるWTA1000シリーズでの優勝。「全米オープン」で四大大会初の4強入りを果たすと、同年11月にはフランス人女子選手として実に17年ぶりとなるシーズン最終戦「WTAファイナルズ」(アメリカ・フォートワース/ハード)での優勝を成し遂げた。

 しかし今季はここまでツアー優勝なし、通算成績でも17勝16敗と苦戦。先日のWTA500シリーズ「グアダラハラ・オープン・アクロン」(9月9日~15日/メキシコ・グアダラハラ/ハード)では不戦勝を挟みながらも4強入りし結果を出していたが、メンタルヘルスの改善を目的に、残りのシーズンはプレーしないという決断を下した。Xでは最近の苦悩を明かしつつ、こう綴っている。

「精神的なリセットが必要です。絶え間ないテニスのルーティンから離れて、本当の休暇を取り、家族や愛する人たちと再会して、良いプレーを見せることへのプレッシャーを感じずに呼吸を整える時間が必要なのです。

 今年は、私の(競技に対する)考え方が悪くなってしまいました。テニス選手であることの喜びを忘れ、ランキングや勝利に執着するようになりました。ただその結果は、私の当初の目標や期待通りとはなりませんでした。努力や犠牲、痛み、全てを以前と同じように感じてはいましたが、結果は出ず、本来のレベルで競うことができませんでした。それを受け入れるのは本当に困難でした。
  試合前の不安やパニック発作で涙を流すことに疲れ果てています。家族との時間を逃し、本当の故郷と呼べる場所がないことに疲れました。また、自分の価値が先週の結果、ランキング、アンフォーストエラーなどで測られる世界で過ごすことにも疲れました。長い間、テニスに夢中に取り組みながらも、結果に伴う感情の浮き沈みに悩まされてきました。でも、私はそれだけで定義される人間ではありません。価値観や才能、情熱や欠点、そして強さを持った女性でもあります。

 最近はツアーに出ていても精神的に押し潰されているように感じていました。良いプレーをしなければならないという重圧、常に監視されているような感覚…不安と闘いながら心を閉ざして、コートでも閉じ込められているようにも感じていました。勝っても満足感が得られませんでしたし、試合が終わったという安堵感しか得られませんでした」

 その後改めて「今は競技から離れることにします」と報告。最後には「数週間休んでエネルギーを充電し、早めに2025年に向けて準備を始めます。肉体的にも、精神的にも、戦術的にも準備を整えていきます」と新シーズン開幕に向けての意気込みを示した。

 メンタルヘルスの問題は選手生命を脅かしかねない。それだけにガルシアには心身をしっかりとリフレッシュさせてからツアーに戻ってきてほしい。

文●中村光佑

【画像】ガルシアが今季終了を報告したX画面

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