今オフに移籍した選手の中で、注目プレーヤーの1人がラッセル・ウエストブルックだ。
元シーズンMVPは今夏、2023年王者のデンバー・ナゲッツに加入。ニコラ・ヨキッチ、ジャマール・マレーらを擁し、王座奪還を目指すチームのラストピースになることが期待されている。
ただ、ロサンゼルス・レイカーズとロサンゼルス・クリッパーズでプレーしていたここ数年のウエストブルックは、所属チームのトップハンドラーを務めることはなく、本来のがむしゃらなプレーを発揮しきれずにいた。
レイカーズではレブロン・ジェームズとアンソニー・デイビス、クリッパーズではカワイ・レナード、ポール・ジョージ(現フィラデルフィア・シクサーズ)、ジェームズ・ハーデンといったオールスタープレーヤーと共闘するも、持ち前のオールラウンドな能力を前面に押し出すことができていたとは言い難い。
その点、ナゲッツでは居心地の良さも感じているようで、こんな言葉を発していたと地元メディア『DNVR Nuggets』が報じている。
「正直なところ、(俺のスキルセットは)ユニークなものなんだ。彼ら(ここ数年で所属してきたチーム)は俺をユニークなポジションで起用してくれなかった。俺がプレーしてきたのは自分本来のポジションではなかったんだ。
ここに来てからは、コーチ・(マイケル)マローンが俺のスピードやトランジションスキルを駆使して周りのみんなを高め、チーム全員のプレーを簡単にするゲームをさせてくれる。俺はベストな自分でプレーするのが大好きなんだ」
キャリア17年目を迎える今季、ウエストブルックはマレーのバックアップ役、そしてシックスマンとなってプレーする予定。セカンドユニットを引っ張っていく選手として申し分なく、その激しいプレーはナゲッツへ新たなエナジーをもたらすことになりそうだ。
文●秋山裕之(フリーライター)
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