「全力で失敗して」5月に現役引退した宇野昌磨の願い。初のMC業で伝えた五輪プレシーズンの”心得”に盟友が感激「めっちゃ大人になった」

 五輪メダリストたる”金言”だ。

 9月30日、フィギュアスケートの2024-25年シーズンの開幕に向けた会見が都内で行なわれ、国際経験豊かな男女シングル10選手が集結。平昌、北京大会で2大会連続の五輪メダルを獲得し、今年5月に現役引退を発表した宇野昌磨が元プロテニス選手の松岡修造さんとともにMCに挑戦した。
【画像】フィギュアスケート2024-25シーズン開幕前にトップ選手たちがドレスアップで華やかに登場!

 今季は2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪のプレシーズン。選手にとっては、重要な1年である。昨シーズンまで現役選手だった宇野は、プレシーズンに臨むにあたり「どんな事が大事か?」を問われると、フリップに『失敗』という文字を掲げた。

 宇野は「ポジティブな言葉ではないですが…」と前置きしたうえで、「五輪プレシーズンは挑戦のシーズン。挑戦には失敗がつきもの。自分は失敗から学ぶことが多かったので、マイナスなことは考えずに、全力で失敗して成長して下さい」と温かいメッセージを送る。宇野なりの深い意図、選手に寄り添った心得に出席した山本草太、佐藤駿ら後輩たちは頷いた。
  記者会見はライブ配信され、世界女王の坂本花織や北京五輪銀メダリストの鍵山優真らが「今季のテーマ」「意識する選手」など、軽妙なトークを繰り広げる。明るい雰囲気のなか、宇野は選手の回答に耳を傾けながら現役時代の経験談や、各選手の魅力を丁寧に紹介。初のMC業をそつなくこなしていった。

 宇野のMCぶりには、現役時代に切磋琢磨し合った坂本も脱帽。「なんか…そっち側に立っている昌磨くんが新鮮」と率直な感想を述べ、「めっちゃ上からになっちゃうけど、めっちゃ大人になった。前まで『人に興味ない』とか言ってたんですけど、選手側の気持ちも分かるし、アドバイスもしっかりされているので。すごく感動しました」と絶賛。現役時代とまったく違う一面を見せる盟友の姿に感心していた。

 照れ笑いを浮かべた宇野は「みなさん後輩なので。ちょっと失礼なこと言っても大丈夫かなっていうくらいの気持ちの楽しさでやってます」と独特な宇野節を利かせ、場を和ませた。

 最後はフジテレビ系フィギュアスケートSPアンバサダーとして、「より皆さんの魅力と、フィギュアスケートの魅力を盛り上げていければなと思っています」と話し、スケートを通して新しく挑戦する役割に強い意気込みを示した。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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