ジャパンオープンテニス、アンベールとフィスのフランス勢が激闘を制して決勝進出!<SMASH>

 国内最高峰の男子テニスツアー「木下グループジャパンオープンテニスチャンピオンシップス2024」(9月25日~10月1日/東京・有明/ハードコート/ATP500)では、9月30日にシングルス準決勝2試合が実施された。

 第1試合は、ウーゴ・アンベール(フランス/世界ランク19位)が6-3、3-6、6-2のフルセットで初対戦のトマーシュ・マハーチュ(チェコ/世界ランク34位)を撃破。第2試合は、アルテュール・フィス(フランス/同24位)が7-6(8)、7-6(10)の大接戦の末にホルガー・ルネ(デンマーク/同14位)に勝利。これにより10月1日に行なわれる決勝は、フランス勢対決となった。

 アンベールは左腕から放たれる強烈なサービスを軸に立ち上りから4ゲームを連取。「とてもアグレッシブにプレーできた」の言葉どおり、ラリー戦でもベースラインぎりぎりの深いボールでマハーチュを押し込み第1セットを奪う。

 だが「調子が乱高下した」という第2セットは、第4ゲームでサービスをブレークされると、勢いを増すマハーチュの前にミスも重なり、3-5で迎えた第9ゲームは2度のブレークポイントを握るも取り切れず。逆にそこから挽回されて3-6とされてセットカウントをイーブンに戻される。

 迎えたファイナルセット。「気持ち的に落ち込んだが、とにかくポイントに100%集中しよう」と自分自身に言い聞かせたアンベールは、競り合う場面でも集中を切らすことなく丁寧にポイントを重ね、第6ゲームでは値千金のブレークに成功してリードを広げると、そのまま逃げ切って勝利を手にした。
  決勝戦のもう一枠を手にしたのは20歳のフィス。21歳のルネとのヤングプレーヤー対決は立ち上がりから強打の応酬となり、互いにサービスをキープしたままタイブレークへともつれ込む。するとここでも取って取られてと拮抗した展開となったが、最後は10-8でフィスが第1セットを獲得する。

 第2セットに入っても流れは変わらず。第2ゲームで先にフィスがブレークに成功するが、続く第3ゲームではルネにブレークバックを許す。コートを広く使いながら高速ストロークやネットプレーを織り交ぜたハイレベルな戦いは再びタイブレークに突入。最初に6-4でフィスが王手をかけるが、ルネも簡単にはポイントを明け渡さず。白熱の展開は7度目のマッチポイントをフィスが決め切って勝負あり。「非常に難しいタイブレークだった。その瞬間のことだけを考えてプレーをした」フィスが今季2度目のツアー大会決勝進出を果たした。

 決勝の相手であるアンベールは、先のパリ五輪でダブルスを組み、デビスカップ(国別対抗戦)でもともに戦う盟友。フィスは決勝に向けて「フランス人同士の決勝は素晴らしい試合になるだろう。僕たちは親友だけど明日は親友じゃない。勝利を目指しベストを尽くす」と語る。

 一方、フィスとの決勝となった場合「難しい試合になるだろう」と語っていたアンベールは、2020年のツアー初タイトルを含め現在まで6大会で決勝進出して負けなし。果たして4年間にわたり維持してきた「決勝無敗記録」は今大会でさらに更新されるのか。ちなみにフィスとの対戦成績は3戦全勝としている。

取材・文●小松崎弘(スマッシュ編集部)

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