Adobe MAX 2024で「Lightroom」新機能発表。作業効率を高める新しいAI機能やパフォーマンスとスピードの強化を実現

アドビは、クリエイティビティカンファレンス「Adobe MAX」にて、作業効率を高める革新的な新しいAI機能からパフォーマンスとスピードの重要な強化を実現した「Lightroom」新機能を発表した。

ここで紹介する最新の機能と機能強化は本日から利用可能。Adobe Lightroomモバイル版は、スマートフォンのアプリストア(Apple App Store、Google Play Store、Samsung Galaxy Store)から無料で入手できる。Adobe Lightroom Web版には lightroom.adobe.com からアクセスでき、ダウンロードは不要。Adobe Lightroom、Adobe Lightroom Classic、および、Adobe Photoshopは、Adobe Creative Cloudデスクトップアプリからダウンロード可能。

AIで作業時間を短縮するパワフルな新機能

今年のAdobe MAXでは、クイックアクションと生成削除の強化が発表された。どちらの機能も、時間のかかる編集ステップを省略し、よりクリエイティブな編集プロセスに集中できるようになる。

■クイックアクションでどこからでも精密な編集が可能に

早期アクセス版として提供:Adobe Lightroomモバイル版(iPhone & Android)、Adobe Lightroom Web版

Adobe Lightroomモバイル版およびWeb版のクイックアクションはまず、写真の被写体の形状に基づいてマスクを自動的に作成し、精密な編集をスピードアップしてくれる。 そして次に、コンテキストに応じた編集を提案し、関連ツールを表示するのでワークフローを迅速に開始できる。これは外出先での編集や、メインのコンピュータから離れた場所で正確な編集を行う必要がある場合に最適としている。

例えば人物写真を素早く編集したい場合、クイックアクションは被写体、背景、歯、目、肌などのレタッチ対象を検出し、選択した各要素の個別のマスクを自動的に作成してくれる。それらのマスク領域にそのまま画像調整を適用することも、マスクパネルで形状をさらに微調整することも可能。また、画像に最適化がワンタップで完了するプリセットの提案もしてくれる。

クイックアクションは、Adobe MAXでの発表に合わせてモバイル版およびWeb版アプリの早期アクセス版機能として提供を開始し、その後Lightroomエコシステム全体にわたって順次正式リリースを行う予定。

■生成AI削除の選択機能の強化

対応環境:Adobe Lightroom、Adobe Lightroom Classic、Adobe Lightroomモバイル版(iOS/Android)、Adobe Lightroom Web版、Adobe Camera Raw

2024年5月に「生成AI削除」を早期アクセス版としてリリースして以来、不要なものを除去して画像に仕上げられるようになった。

生成AI削除は、今回のAdobe MAXリリースによってAdobe Lightroomエコシステム全体にわたって正式リリースされる。また、オブジェクトの選択機能も強化され、より使いやすくなった。「オブジェクトの検出」オプションをオンにすると、削除したい邪魔なオブジェクトを囲むだけで選択され、オブジェクトを正確になぞる必要がなくなる。

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ワークフローの高速化

■Adobe Lightroom Classicの現像モジュールのパフォーマンス向上

対応環境:Adobe Lightroom Classic

Adobe Lightroom Classicにおいては、現像モジュールのパフォーマンスの向上に注力してきた結果、画像ナビゲーションの速度が2倍に向上し、フィルムストリップがより機敏で応答性の高いレスポンスを実現。今年のAdobe MAXリリースでは、メモリとキャッシュをさらに強化し、Windowsでの画像ナビゲーションの操作性を改善して、よりスムーズなパフォーマンスを実現した。

■ニコンのカメラでのテザー撮影サポートの強化

対応環境:Adobe Lightroom Classic

ニコンのカメラでのテザー撮影が、WindowsとMacの両方でより高速かつ信頼性の高いものに改善された。最新のアーキテクチャの改善により、カメラの検出時間が約1秒に短縮している。一部の新しいニコンカメラでは読み込みが最大3倍速に改善され、古いニコンカメラでも2倍の速度を維持している。これには、Adobe Lightroomが既に提供しているソニー(5月にサポート追加)やキヤノンなど他のカメラメーカーのテザー撮影サポートで培った技術が活かされている。

■HDRサポートの拡張

対応環境:Adobe Lightroom、Adobe Lightroom Classic

昨年のAdobe MAXでは、モバイルでのキャプチャから編集、書き出しまで、エンドツーエンドのハイダイナミックレンジ(HDR)ワークフローである「HDR最適化」をリリースした。これにより、より現実世界に近づいた素晴らしいHDR写真を作成できるように改善された。今回の最新リリースでは、すべてのAdobe LightroomにおいてHDRコンテンツを追加のビューで表示できるようになる。

また、書き出し時にISO HDRゲインマップの埋め込みが可能になり、SDRとHDRの2つの別々のファイルを作成する必要がなくなった。HDRゲインマップにより、ディスプレイの能力に応じて、SDRかHDRのレンディションを自動的に表示できるようになり、デバイス間で一貫した表示体験が保証される。HDRゲインマップは、Apple Photos、Google Chrome、Instagramなど、多くのアプリでサポートされるようになる。

さらに今回のリリースでは、Google Pixel 9シリーズのデバイスを使用しているユーザーがHDRで写真を閲覧および編集できるように改善された。さらに、Appleシリコン搭載のMacデスクトップコンピューター、または、Adobe Lightroom iOS版を使用している場合は、静止画に加えて動画もHDRで編集できるように改善された。