バッドボーイズ佐田「ひとり芝居」で相方・清人が4年ぶり脚本担当! 「清人は“感動系脚本家”だけど、演出が照れくさくて…」

清人は“感動系脚本家”

――今回の公演に対する思いは?

佐田 いまは、ひとり芝居をすることがルーティンになったからね。「継続は力なり」じゃないけど、4回目から手売りをしなくてもチケットが売れるようになってきたんよ。今回、千穐楽は2日で完売したしね。

――すごいですね!

佐田 まぁ、宣伝する媒体が増えたっていうのもあるんやけどね。ちょうどコロナ禍のあたりにYouTubeの登録者数が増えて、芸人のオレしか知らなかった人が「ひとり芝居って何?」って興味持ってくれて。その人たちが観に来てくれて、「面白いからまた観たい!」ってリピーターになったりして、いまは北海道から沖縄まで全国のファンの方が来てくれるようになったわ。

――今回は清人さんが4年ぶりに脚本するとのことですが、その経緯を教えて下さい。

清人 佐田に言われたから。

佐田 第1回目から3回目までは清人が脚本・演出をやってくれて。でも、3回目が終わっときに、「ずっとオレが書いているより、もっと外の人とやったほうが佐田の力になると思うから。女性の演出家さんを入れたら?」って言ってくれたんよ。そこで、3回目にかかわってくれた木下半太さんに紹介してもらって、違う方にお願いすることになったんよ。清人の脚本は笑いがないんよ。“試練”かなんか知らんけど。

――試練なんですね(笑)。笑いがないのは驚きです!

清人 試練というか、お笑いを入れるとコントと混じってしまうから、なんか入れることができなくて。

佐田 清人の作品のあとは、お客さんも泣いている人が多いんよ。“感動系脚本家”さんよ。

――それは見てみたいです!

佐田 第1回から3回の脚本をやってもらったときも、アンケートを取ると清人の評価が高いんよ。ほかの演出家さんからも「相方のことをよく知っている清人さんだからこそ、佐田さんが何をやったら生きるかがよくわかっていますよね」って言われたりするんよね。でも、脚本はええねんけど、演出されることが照れ臭いんよ。

――照れ臭いというのは?

清人 稽古で誰かいたら灰皿を投げたりボケれるけど、2人っきりになったら、そんなことできないから、ただただ照れ臭い。

佐田 「清人、ここどうすると~?」とか「清人、ここの心理はどんな感じ~?」とかになっちゃうから、演出って感じでもなくなるんよ。だから、今回は清人に本を書いてもらって、演出は違う人にお願いすることにして。

それで、同級生で役者の佐藤宙輝っていう子がおるんやけど、宙輝は自分で劇団も持っていて、演出もしたことあるし、オレと清人のことも知っているし、信用している人間やから清人の本の演出をお願いすることになったってわけ。だから、清人の本をよりパワーアップしてお客さんにお届けさせてもらうよ。


出典: FANY マガジン

――清人さんは稽古を見てどう思いましたか?

清人 稽古は参加してないんよ。オレは本を書いただけやから。

――そうなんですね!

佐田 清人、ビックリすると思うよ。「演劇~!」って思うと思う。清人の本って小説みたいな感じやから、それを宙輝が「ザ・舞台」にしてくれているからね。

――稽古は順調なんですね!

佐田 やってるねんけど、清人の場合はきっかけがぜんぶ自分やったりするから、台詞が頭に入ってこないんですよ。

――大丈夫なんですか?

佐田 あと、表現がふだん使われていない言葉で“清人先生”は書かれているので、そういう言葉って頭に入ってこないんですよ(笑)。

――どうするんですか?

佐田 英語を覚えるみたいに、自分で声を録音して、それを永遠に聴くんよ。気づいたら「え? しゃべれているやん」って、自然と自分の言葉になっていくのよ。

――聞き流す英語学習みたいですね!

佐田 そうそう。だって本を一言一句、間違えずに読むわけやから。歳とってきたから記憶力もなくなるし、文字をみただけじゃ覚えられない。

――それは大変ですね。清人さんが佐田さんに期待することはありますか?

清人 本を書いて、オレから手が離れた時点で期待することは別にない。

佐田 期待せぇよ!

清人 もう任せているから。(でも)宙輝くんが毎回、オレに聞いてくるの。演劇では脚本家さんありきの舞台っていうのが風習としてあるんやって。「聞きに来るな!」って思うよ。

佐田 だから、宙輝が不安がって「清人さんが、ライン既読スルーするんだよ」って。

(一同爆笑)

佐田 既読スルーはやめてあげてよ。「任せますよ」とか「大丈夫ですよ」とか返信してあげんと。「清人さん、怒ってんのかな……」って。

清人 それは返信忘れただけ。よくあることやから。

――本番を楽しみにしているっていうことですかね。今回のグッズについて聞かせてください。

佐田 いつもお客さんから「佐田さんのひとり芝居のグッズはお洒落よね」って言われるんよ。自分でデザインしているんやけど、今回はステッカー、タオル、クリアファイルと、初めてビッグアクリルスタンドも作ってみたんよ。5種類のビッグアクリルスタンドと、さらにビッグなシークレット賞、ラストワン賞もある。

――めっちゃ大きいのが!?

佐田 めっちゃ大きいけど、めっちゃ迫力あるからね。これをくじ引きで販売するからね。

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“役者・佐田”を見て!

――最後にお客さんにメッセージをお願いします!

佐田 あと本番まで2~3週間あるんやけど、いつもならこの時期はアップアップしていることが多いんよ。でも今回はそうでもなくて、稽古していても楽しいんですよ。作品が仕上がっていくのが楽しくて、楽しくて。だから……「楽しい」んですよ。

――「楽しい」ことは伝わりました(笑)。

佐田 ぶっちゃけ初めての演出家さんのときは、モメることもあるんよ。「これってどういう意味ですか?」とか「こっちのほうが良くないですか?」とか。自分が説明できない作品はお客さんに伝わるわけないやん。でも、今回はそれがまったくなくて。

信頼しているメンバーやから稽古も楽しい、そのなかで目の当たりにする変化も楽しい。だから楽しい作品なので、みなさんも楽しんで下さい。

清人 「“役者・佐田”を楽しんで下さい」しかないです。最近は「ノリツッコミやってよ!」って言ってもやってくれないから。芝居の台本なら“役者・佐田”はちゃんとやってくれるから。だから“役者・佐田”を見て下さい。