稲田「丁寧に見てもらえたらいいな」
――写真を撮る際に、スタッフから何か言われたことはありますか?
稲田 コンテンポラリーダンサーのピナ・バウシュの映像を見てきてくれって言われたんですよ。裸でコンテンポラリーダンスを踊るシーンもあって、ちゃんとは理解できなかったんですけど、恥ずかしがらずにやったらいいんかなと思いましたね。
新山 それいつくらいですか?
稲田 8月半ばとかだったと思う。
新山 なんか、その時期に急に(稲田さんが)変わったんですよ。
稲田 もうええって(笑)。あと今回、おカネを出してもらわずに自分でやったんですけど、会社から「完成したら写真をぜんぶ見せてほしい。わいせつ物陳列罪にあたるかどうか確認したい」って言われたのだけがほんまに悔しくて。私、おカネ出して捕まるの!?
――(笑)
新山 「おカネ出したのに逮捕される」……いちばんいいおカネの使い方です(笑)。でも、ゴッホとかピカソの絵の前で「2、3時間見てもうた」みたいな話あるじゃないですか。そういう人が続出する可能性もありますね。超シンプルだけど、惹きつけられる魅力があります。
――今回の写真展では、稲田さんもできる限り現場にいくそうですね。
稲田 そうですね。あと、ほんまに知らんかったんですけど、初日(10月17日)がたまたま新山くんの誕生日だったんですよ。これめっちゃ怖くて(笑)。
新山 こんなに嬉しい誕生日プレゼントはないですよ。
稲田 Instagramには名前を書いたんですけど、新山くんがきっかけを作ってくれたことをもっと大々的に言えばよかったし、その説明がしっかりできていなかったんで、今回の記事で「はじまりは新山くんだった」ということが伝わればいいなと思います。
出典: FANY マガジン
――最後にメッセージをお願いします。
新山 先ほど初めて写真を見せてもらいましたけど、1枚見ただけで、ほかの写真も見たくなるし、写真展が4日間という地上に出てきたセミの命よりも短い儚さ……。稲田さんの本気を感じます。今後あるかどうかわからないので、皆さんにぜひ見に来ていただきたいです。
稲田 私も芸人でこれをやっている人がいたら、めっちゃ笑うと思うんですよ。でも、これを「めっちゃいい」と思って真剣に見たい人もいる。いろんな見方があっていいのかなと思うんですけど、できれば1回、ガマンしてほしいですね。時間をかけたぶん、丁寧に見てもらえたらいいなと思います。
新山 確かにいろいろな見方ができますよね。
稲田 もし笑ってるお客さんがおったら、無料なんであとでもう1回来ていただいて、ゆっくりご覧になるとかしていただけると嬉しいです。
新山 一般の方でこの写真を見て笑う方っていないと思いますよ。どちらかと言うと、涙の方じゃないですか? 稲田さんの本気度が伝わると思います。
文・写真=浜瀬将樹