SNSでも大きな話題となったのが、東京ヴェルディの城福浩監督とキャプテンの森田晃樹とのやり取りだ。9月22日のサガン鳥栖戦(31節)、75分過ぎにふたりはこんな会話をしている。
城福監督;「晃樹、晃樹、晃樹、晃樹、どうだ?」
森田:「なに? なに?」
城福監督:「できるか?」
森田:「できる!」
城福監督:「やれ! じゃあ、やれよ!」
このやり取りの真相を城福監督は次のように話している。
「鳥栖戦での我々の守備が緩くて、いくつか決定機を作られていました。あのやり取りの直前も相手に入れ替わられてシュートを打たれているんです。なので、まず齋藤功佑に聞いたんです。『やれるか』と」
城福監督は選手にプロフェッショナルな判断を求めているという。
「ちょっと痛かったり、不安があったりしたら遠慮なく言えと。5人交代できるとはいえ試合中に選手を入れ替えられるのは3回なので、事前に言えよと」
そういう約束事がある中で齋藤からは「行ける」とのサインをもらったあと、城福監督は「晃樹!!!」と3、4回呼んだそうだ。しかし──。
「『聞こえているはずだよね』っていうのを(森田は)無視していた。で、5回目で『何!!!』みたいな反応をされたんです。それで嬉しくなって、『行けるのか!!!』って言ったら『行ける!!!』と。あいつはキャプテンなので、(それを示してもらう意味でも)『だったら、やれよ!!!』と指示して。おそらく、(森田は)心の中で『うるせーな!!! やるよ!!!』と思っていたはずです」
城福監督は鳥栖戦で森田を交代させなかった。男と男の熱いコミュニケーション。ふたりの信頼関係を示すエピソードでもあるだろう。
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
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