間もなく開幕する男子テニスのATP500シリーズ「エルステ・バンク・オープン」(10月21日~27日/オーストリア・ウィーン/室内ハードコート)は16日に大会公式サイトを更新し、度重なるケガからの完全復活を目指す元世界ランク4位の錦織圭(現143位)が本戦ワイルドカード(主催者推薦)で参戦すると正式に発表した。
錦織が同大会に出場するのは2018年以来6年ぶり2度目。この時はフランシス・ティアフォー(アメリカ/現15位)、カレン・ハチャノフ(ロシア/現26位)、ドミニク・ティーム(オーストリア/元3位/現289位)、ミハイル・ククシュキン(カザフスタン/現111位)ら名だたる実力者を破って決勝に進んだものの、最後は元世界5位のケビン・アンダーソン(南アフリカ)に敗れて準優勝となった。
今年3月に左ヒザのケガから約8カ月ぶりの実戦復帰を果たした34歳の錦織は、今夏の北米ハードコートシリーズから調子を上げており、8月の「ナショナルバンク・オープン」(カナダ・モントリオール/ATP1000)では約3年3か月ぶりのマスターズ8強へ進出。9月末に行なわれた母国のツアー公式戦「木下グループジャパンオープン2024」(日本・東京/ハードコート/ATP500)でも圧巻のプレーを披露してベスト8入りしていた。
一時は500位台だったランキングも現在は143位まで回復させている錦織。エルステ・バンク・オープンでも上位進出が期待されている中、同大会のトーナメントディレクターを務めるヘルビヒ・シュトラカ氏は公式サイトを通じ、ツアー12勝を挙げている日本のエースの輝かしい功績と最近の見事な活躍ぶりを称賛する形で次のように歓迎の言葉を残した。
「錦織圭は今でもテニス界のスーパースターであり、母国日本では絶対的な地位を確立している。彼は過去数週間で、調子が急激に上がっていることを証明した。錦織圭がウィーンに帰ってくることで、エルステ・バンク・オープンへの国際的な関心はさらに高まるだろう」
また錦織は今大会を筋肉系の負傷により欠場するテイラー・フリッツ(アメリカ/6位)の代役として、現地18日に行なわれるエキジビションマッチ「レッドブル・ベースライン」にも出場することが決定。同エキジビションは、DJがビートを刻む中でタイブレーク形式の試合を行なうというユニークなものだ。参加選手は錦織を含む計6名で、ツアー22勝を誇るアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/3位)とオーストリア期待の18歳、ジョエル・シュベルツラー(同348位)も加わる予定。残りの3選手も間もなく発表されるとのことだ。
文●中村光佑
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