しずる(KAƵMA、村上純)、ライス(関町知弘、田所仁)、サルゴリラ(児玉智洋、赤羽健壱)の実力派コント師3組に、作家・演出家の中村元樹を加えた7人組の演劇ユニット「メトロンズ」の第7回公演『店出す』が、10月17日(木)~10月27日(日)の期間、東京・赤坂RED/THEATERで上演中です。今回は、本番直前のゲネプロを終えたばかりの7人を直撃しました。
©ワタナベミカ
「店を出す」を題材にしたストーリー
今回のストーリーは、中西(ライス・田所)が「店を出す」にあたって、中学時代の友人・川元(ライス・関町)とその後輩の岡崎(サルゴリラ・赤羽)、さらに中西の元上司である黒田(しずる・KAƵMA)とその知り合いのデザイナー・葉山(しずる・村上)が手伝いにやってきます。
しかし、肝心の店のコンセプトが決まっていない! そんななか、中西と川元の同級生で、中学時代に「トレンド」と呼ばれていた友人・大倉(サルゴリラ・児玉)が刺激的なアイデアを繰り出して……。果たして、全員が納得する店を作り出せるのか!?
演出を担当した中村は、これまでとの公演の違いを次のように説明します。
「大人たちの腹の内をぜんぶ見せないやりとり、揉みあいを表現するため、これまでの公演の『演技の出力』が10だとしたら、今回20ぐらいメモリを増やして出力を上げてもらいました。そのあたりは、いつもよりもこだわったところですね」
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登場人物それぞれの思いが錯綜する今回の作品。脚本を担当したKAƵMAはこう語ります。
「世の中に店を出されている方っていらっしゃいますけど、『店を出す』って、人生でけっこうな出来事だと思うんですよ。でもまわりは、その人ほど『そんなに大きい出来事だとは思っていない』というか、その差が激しいなと思っていて。それが面白そうだなと思って書いてみました」
登場するキャラクターは多種多様。店を出す中西役のライス・田所は、KAƵMAの「中西はダサい服を着るヤツ」という思いから、今回の衣装を着用したそうです。田所が「ふだん、僕は服にこだわるほうなんで……」とこぼすと、記者陣から笑いが起きます。これに田所が「マジでどういう意味ですか?」と突っかかり、さらに笑いが止まりません。
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そんな田所は、稽古期間中に2回も体調不良でダウンしたそう。ゲネプロを終えた心境を問われた田所は、「何度も稽古中に『もうダメかもしれない』と思ったんですけど、奇跡の回復というか……。体を壊したわりにはパーフェクトだったかな」と自画自賛します。
さらに「いままで以上の力が出せた感じがして、『あ、人間ってそういうものなんだな』って思いました」と饒舌に語ると、サルゴリラ・赤羽から「ハードルが低い」とツッコミが入りました。
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しずる・村上はツーブロックにヒゲ
サルゴリラ・児玉は流行りの服を着ている大倉役ですが、オシャレな服を着こなすのが大変だったそうです。また、「(役づくりのため)裏でストレートパーマをかけてきました。アハハ……あ、ストレートアイロンか」と1人で訂正してニヤつく児玉に、ほかのメンバーから「つまんねー役者がいるぞ!」「平場(トーク)が弱い」とヤジが飛びました。
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中西の友人である川元役のライス・関町は、衣装でニッカポッカを着用しています。関町は「気弱な役なんですけど、どうしても(衣装的に)コワモテに見えてしまうので、それを抑えるのにだいぶ苦労しました」と語ります。しかし実際には威圧感がほとんどないため、メンバーから「生まれながらに怖さは抑えられているよ」とツッコまれていました。
実年齢では最年長ながら、役柄では最年少となるサルゴリラ・赤羽は「後輩っぽく見えるような演技」を心がけたといいます。そんな赤羽の役柄について、しずる・KAƵMAは「イメージは(Netflixドラマの)『地面師たち』の(マテンロウ)アントニー(オロチ役)」と紹介。赤羽は実際、稽古中に「もっとアントニーっぽく」と指示を受けたそうです。
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一方、ビジュアル面にもこだわったのが、デザイナー役のしずる・村上で、髪をツーブロックに刈り上げ、ヒゲもたくわえました。ただ、ヒゲを伸ばしているときに『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ系)の収録があったものの、「まったくイジられなかったです」と苦笑いでした。
そんな村上は、葉山というキャラクターについて悔しいことがあったと語ります。
「これはどうにもできないんですけど、このキャラをやるんだったらもうちょっと身長がほしかった。映像で見るたびに『なんでこの小さいヤツが、このキャラをやってんだよ』って思う」
最終的に村上は「ちっちゃいからこそにじみ出るものを楽しみたい」と開き直ったとのことでした。
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会場ロビーでは、ステッカーやキャップ、アクリルスタンドなど、メトロンズの公式グッズが販売中。デザインもこだわっているので、こちらも要チェック!
また、メトロンズの次回公演『遠藤さんの叔父さんが死んだけど旅行は行きたい』がKAƵMA脚本で2025年4月30日(水)〜5月11日(日)に赤坂RED/THEATERで開催されることも発表されました。