【2024ドラフト候補ランキング最終版|1~10位】明治大・宗山と関西大・金丸が文句なしのワンツー。より高評価だったのは...<SLUGGER>

2024年のドラフトまであと1週間を切った。今年も将来性豊かな選手が揃う中、いよいよドラフト候補ランキングの最終版を発表する。

【表】2024ドラフト候補ランキング最終版1~50位一覧

▼10位:斎藤大翔[遊撃手・金沢高](前回順位:11位)
(さいとう・ひろと/右投右打)
 高い守備力とスピードが魅力の高校生ショート。181cmの長身でも動きの良さは抜群で、ハンドリング、スローイングも高校生とは思えないレベルにある。脚力も素晴らしいものがあり、積極的に次の塁を狙う走塁も魅力だ。打撃は高いレベルでは少し苦労しそうだが、タイミングのとり方は悪くない。ショートの若手が少ない球団にとっては垂涎の存在となるだろう。
タイプ診断:#フットワーク◎ #スピードスター
将来像:大型の今宮健太(ソフトバンク)

▼9位:柴田獅子[投手・福岡大大濠高](前回順位:10位)
(しばた・れお/右投左打)
 最終学年に急浮上してきた大型右腕。190cmの長身でフォームの躍動感は申し分なく、ストレートはコンスタントに145キロを超える。スライダー以外の変化球は課題だが、好調時は少ない球種でも相手打者を圧倒できるのが魅力だ。打者としても広角に長打を放ち、スケールは十分。基本的には投手とみられるが、二刀流挑戦も検討したいほどの好素材だ。
タイプ診断:#急成長 #二刀流も!?
将来像:大瀬良大地(広島)

▼8位:藤田琉生[投手・東海大相模高](前回順位:8位)
(ふじた・りゅうせい/左投左打)
 規格外のスケールと高校生としては高い完成度を備えた超大型サウスポー。198cmの長身でも体の使い方が上手く、制球力と変化球のレベルも高い。春から夏にかけて出力も大きくアップし、最速150キロをマークするまでになった。これだけのスケールがある左投手はなかなかおらず、夏の甲子園でも好投して順調に評価を上げた。
タイプ診断:#規格外 #器用
将来像:クリス・ジョンソン(元広島)▼7位:今朝丸裕喜[投手・報徳学園高](前回順位:7位)
(けさまる・ゆうき/右投右打)
 好投手が揃う今年の高校生の中でも総合力ではNo,1とみられる大型右腕。昨年と比べて腕の振りが明らかに力強くなり、コンスタントに140キロ台後半をマークするまでになった。春のセンバツでは2年連続で準優勝を果たし、夏の兵庫大会も尻上がりに調子を上げてチームを優勝に導いた。完成度は高く実績も十分だが、まだまだ成長が見込める高い将来性も魅力だ。
タイプ診断:#スケール大 #甲子園の星
将来像:才木浩人(阪神)

▼6位:中村優斗[投手・愛知工業大](前回順位:5位)
(なかむら・ゆうと/右投右打/諫早農)
 愛知大学野球で注目を集める剛腕。下級生の頃から主戦として活躍し、昨年は春、秋連続で最多奪三振のタイトルも獲得した。たくましい下半身を生かした躍動感あふれるフォームで、ストレートはコンスタントに150キロを超える。走者を背負ってからのクイックには課題が残るが、ボールの力は間違いなくアマチュア全体でも一、二を争う。リリーフであれば1年目から勝ちパターンに加わる可能性は高い。
タイプ診断:#地方リーグの星 #馬力◎
将来像:高橋宏斗(中日)
 ▼5位:西川史礁[外野手・青山学院大](前回順位:4位)
(にしかわ・みしょう/右投右打/龍谷大平安高)
 昨年春にレギュラーを獲得し、一気に大学日本代表の4番への上り詰めた右のスラッガー。全身を使ったフルスウィングは迫力十分で、高々とスタンド中段まで運ぶ長打力が光る。高校時代はショートだっただけに、外野の守備も動きが良く、肩の強さも目立つ。少し左方向に打球が偏るのは課題だが、変化球への対応力も高い。3月の侍ジャパントップチームの強化試合でも見事な打撃を見せた。
タイプ診断:#赤丸急上昇 #大学ジャパン4番
将来像:打撃では大型の山田哲人(ヤクルト)

▼4位:渡部聖弥[三塁手/外野手・大阪商業大](前回順位:3位)
(わたなべ・せいや/右投右打/広陵高)
 今年の大学球界を代表する強打の外野手。2年春から不動の中軸に定着すると、昨年は3年生ながら大学日本代表にも選ばれた。ボールを呼び込むのが上手く、引っ張るだけでなく右方向にも飛距離が出る打撃が持ち味。脚力と肩の強さも大学でトップクラスで、運動能力も高い。秋は主にサードで出場し、内野でも起用できるというのは大きな強みだ。
タイプ診断:#広角打法 #強肩強打
将来像:ホームランを打てる谷佳知(元オリックス)

▼3位:石塚裕惺[遊撃手・花咲徳栄高校](前回順位:6位)
(いしづか・ゆうせい/右投右打)
 今年の高校球界を代表する強打のショート。U18侍ジャパン強化合宿では木製バットでも軽々と柵越えを連発し、視察したスカウト陣を驚かせた。上半身も下半身もよく鍛えられており、攻守ともに力強さがあるのが魅力。守備も堅実で肩の強さがあり、ベースランニングのスピードも光る。夏の埼玉大会、甲子園、U-18アジア選手権でも一人だけレベルの違う打撃を見せて評価を上げた。
タイプ診断:#強打のショート #身体の強さ◎
将来像:牧秀悟(DeNA)▼2位:宗山塁[遊撃手・明治大](前回順位:2位)
(むねやま・るい/右投左打)
 早くから2024年の目玉と言われ続けてきたショートストップ。高校時代から攻守にセンスの良さを見せていたが、大学でも順調にスケールアップを果たした。フットワーク、ハンドリング、スローイング全てがトップクラスで、ショートとしての守備力はすでにプロでも上位。悪い癖のないスウィングで広角に鋭く打ち返す打撃も一級品だ。春は度重なる怪我で不本意なシーズンとなったが、秋はヒットを量産して完全復活をアピールしている。
タイプ診断:#神宮の星 #スター性◎
将来像:鳥谷敬(元阪神など)

▼1位:金丸夢斗[投手・関西大](前回順位:1位)
(かねまる・ゆめと/左投左打/神港橘高)
 大学球界No.1の本格派サウスポー。下級生の頃から不動のエースとなり、常に高いパフォーマンスを見せ続けている。右打者にも左打者にも腕を振って150キロを超えるストレートを投げ込むことができ、スピードだけでなくコントロールも一級品。鋭く変化する変化球も低めに決まり、すべてのボールの質が高い。今年春のリーグ戦では終盤に怪我で離脱し、秋もリリーフでの登板となっているが、実力は頭一つ抜けた存在であり、ドラフトでも一番人気となる可能性は極めて高いだろう。
タイプ診断:#安定感◎ #本格派左腕
将来像:江夏豊(元阪神など)

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

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