2024年のドラフトまであと1週間を切った。今年も将来性豊かな選手が揃う中、いよいよドラフト候補ランキングの最終版を発表する。
▼20位:モイセエフ・ニキータ[外野手・豊川高](前回順位:17位)
(もいせえふ・にきーた/左投左打)
東海地区を代表する強打の外野手。昨年秋の東海大会では4試合で10安打を放ってチームを優勝に導き、続く明治神宮大会、今年春の選抜でもライトスタンドへ叩き込む豪快な一発を放つ活躍を見せた。全身を使ったフルスイングは迫力十分で、見た目以上に打球が伸びる。足と肩はそこまで飛び抜けたものはないが、これだけ強く振れてミート力も高い選手は貴重だ。
タイプ診断:#フルスイング #スター性◎
将来像:柳田悠岐(ソフトバンク)
▼19位:徳山一翔[投手・環太平洋大](前回順位:18位)
(とくやま・かずと/左投左打/鳴門渦潮高)
中国地区大学野球で注目を集める本格派サウスポー。2年秋の明治神宮大会では7回までノーヒット・ピッチングを披露し、昨年秋の明治神宮大会でも150キロを超えるスピードをマークしてスケールアップした姿を見せた。今年の春は調整遅れからリーグ戦での登板がなく、秋も復調途上という印象だが、貴重な本格派左腕だけに注目度は高い。
タイプ診断:#地方リーグの星 #本格派左腕
将来像:石井一久(元ヤクルトなど)
▼18位:箱山遥人[捕手・健大高崎高](前回順位:15位)
(はこやま・はると/右投右打)
強肩強打の高校生ナンバーワンキャッチャー。1年春から不動の正捕手となり、今年春の選抜では攻守に見事な活躍でチームを優勝に導いた。地肩の強さだけでなく、ハンドリングやフットワークも高校生とは思えないレベルにある。打撃も広角に強い当たりを放ち、長打力も申し分ない。貴重な強打の捕手として評価も高くなるだろう。
タイプ診断:#強肩強打 #経験豊富
将来像:谷繁元信(元横浜・中日)▼17位:伊原陵人[投手・NTT西日本](前回順位:33位)
(いはら・たかと/左投左打/智弁学園高→大阪商業大)
関西の社会人を代表するサウスポー。大学時代から安定感は抜群で、社会人でスケールアップし、コンスタントに145キロを超えるようになった。170㎝と小柄でもボールの勢いは申し分なく、多彩な変化球も操る。都市対抗本選でもさすがの投球を見せた。ストレートの回転数はプロでもトップレベルで、早くから一軍の戦力として期待がかかる。
タイプ診断:#即戦力候補 #ボールの回転数◎
将来像:今永昇太(カブス)
▼16位:吉田聖弥[投手・西濃運輸](前回順位:16位)
(よしだ・せいや/左投左打/伊万里農林)
社会人で今年急浮上してきたサウスポー。元々フォームの良さは目立っていたが、躍動感が上がってストレートも145キロを超えるようになって、ピッチングの安定感も一気にアップした。都市対抗予選、本選ではともに見事な投球を見せてチームをベスト4に導いた。大学4年生と同じ学年とまだ若いが、完成度の高さは大きな魅力だ。
タイプ診断:#社会人No.1左腕 #解禁済
将来像:杉内俊哉(元ソフトバンク・巨人)▼15位:浦田俊輔[遊撃手・九州産業大](前回順位:19位)
(うらた・しゅんすけ/右投左打/長崎海星)
九州の大学球界を代表する三拍子揃ったショート。軽快なフットワークと巧みなハンドリング、さらにスローイングの強さも備えた守備は既にプロの一軍レベルにある。少し暴走気味のプレーもあるが、抜群の脚力で盗塁も多い。課題だった打撃のパワーも確実にアップしており、6月の大学選手権では初戦で3安打の大活躍を見せた。
タイプ診断:#スピードスター #堅守のショート
将来像:川崎宗則(元ソフトバンクなど)
▼14位:麦谷祐介[外野手・富士大](前回順位:21位)
(むぎたに・ゆうすけ/右投左打/大崎中央高)
地方大学で注目を集めている強打の外野手。昨年は大学選手権で下村海翔(青山学院大→阪神1位)、明治神宮大会で常広羽也斗(青山学院大→広島1位)からともにホームランを放つなど大活躍を見せた。センターから見せる強肩も大きな魅力で、外野手としての総合力の高さは大学全体でもトップクラスだ。
タイプ診断:#強打の外野手 #ドラ1キラー
将来像:丸佳浩(巨人)
▼13位:村上泰斗[投手・神戸弘陵高校](前回順位:20位)
(むらかみ・たいと/右投右打)
関西では今朝丸裕喜(報徳学園)に次ぐ存在と言われる本格派右腕。中学時代は捕手で、投手に専念したのは高校入学後だが、2年春には150キロを超えるなど急成長を遂げた。昨年までは安定感に乏しかったが、今年は制球力と変化球も大きく向上。フォームの雰囲気は高校時代の山本由伸と重なり、プロでも更なる成長が期待できるだろう。
タイプ診断:#フォームのバランス◎ #150キロ右腕
将来像:山本由伸(ドジャース)▼12位:佐々木泰[三塁手・青山学院大](前回順位:12位)
(ささき・たい/右投右打/県岐阜商)
県岐阜商でも3年時の甲子園交流試合で一発を放って注目を集めた強打の三塁手。青山学院大でも1年春にいきなり4本塁打を放って、神宮を沸かせた。2年からは厳しいマークにも苦しみ、調子の波は目立つものの、強烈に引っ張る打撃は大きな魅力。今年春もリーグ戦では苦しみながら、大学選手権では2本塁打を放つ活躍でMVPにも輝いた。
タイプ診断:#強打のサード #スーパー1年生
将来像:松田宣浩(元ソフトバンク・巨人)
▼11位:篠木健太郎[投手・法政大](前回順位:12位)
(しのぎ・けんたろう/右投左打/木更津総合高)
今年の東京六大学を代表する本格派右腕。高校時代に比べて躍動感が明らかに上がり、ストレートも常時150キロを超えるまでにアップした。持ち味だった制球が課題となっていたが、今年は少しスピードを抑えて安定感も増している。ポテンシャルの高さは誰もが認めるところだけに、成績以上にプロからの評価は高そうだ。
タイプ診断:#神宮の星 #躍動感◎
将来像:今井達也(西武)
文●西尾典文
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
▼32位:石伊雄太[捕手・日本生命](前回順位:37位)
(いしい・ゆうた/右投右打/近大高専→近大工学部)
大学時代から強肩が鳴り響いていた守備型の捕手。名門の日本生命でも1年目から不動の正捕手となり、今年も都市対抗出場に大きく貢献した。課題の打撃も年々力強くなっており、しぶとさも出てきた。守備はプロでもすぐ通用するレベルなだけに、狙っている球団も多いだろう。
タイプ診断:ディフェンスタイプ
▼31位:柳舘憲吾[三塁手・国学院大](前回順位:32位)
(やなぎだて・けんご/右投左打/日大三高)
今年の東都一部を代表する強打の三塁手。力のある野手が揃うチームの中で1年秋から定位置をつかみ、昨年春は首位打者も獲得した。サードの守備もフットワーク、スローイングともに高レベルだ。大学日本代表にも選ばれ、国際大会でも攻守にわたる活躍を見せた。
タイプ診断:#強打のサード
文●西尾典文
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
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