2024年のドラフトまであと1週間を切った。今年も将来性豊かな選手が揃う中、いよいよドラフト候補ランキングの最終版を発表する。
▼30位:清水大暉[投手・前橋商](前回順位:27位)
(しみず・だいき/右投右打)
北関東で注目を集めている大型右腕。昨年夏はリリーフで度々好投を見せてチームを甲子園出場に導いた。まだ下半身の強さが不十分で、重心が上下動するのは気になるが、指にかかった時のボールの角度と勢いは大きな魅力。スケールの大きさは今年の高校生投手でも屈指の存在だ。
タイプ診断:#スケール◎ #長身右腕
▼29位:宇野真仁朗[遊撃手/三塁手・早稲田実](前回順位:29位)
(うの・しんじろう/右投右打)
入学直後から中軸を任されている強打の内野手。浅村栄斗(楽天)を彷彿とさせる豪快なスウィングで高校通算本塁打は64本を数える。春からは木製バットを使用しており、夏の西東京大会でも満塁弾を含む2本塁打を記録。打撃への注目度が高いが脚力も申し分なく、内野ならどこでも守れるのも魅力だ。
タイプ診断:#万能タイプ #木製バットで本塁打量産
▼28位:野口泰司[捕手・NTT東日本](前回順位:30位)
(のぐち・たいし/右投右打/栄徳高→名城大)
今年の社会人を代表する強打の捕手。大学時代も上位候補と見られながら指名漏れを経験したが、社会人で攻守ともに着実にレベルアップを果たし、再び評価を上げている。都市対抗本選でもチームは初戦で敗れたが、2安打を放つなどさすがのプレーを見せた。
タイプ診断:#強打の捕手 #U-23侍ジャパン▼27位:庄子雄大[遊撃手・神奈川大](前回順位:圏外)
(しょうじ・ゆうだい/右投左打/横浜高)
神奈川大学野球を代表する俊足、巧打のショート。1年春からヒットを量産し、この秋は通算安打数のリーグ記録も樹立した。スピードは大学生では1,2を争うレベルで、盗塁の成功率も高い。ショート以外にもサードや外野などあらゆるポジションを守ったことがある経験も強みだ。
タイプ診断:#スピードスター #ミート力◎
▼26位:宮原駿介[投手・東海大静岡キャンパス](前回順位:31位)
(みやはら・しゅんすけ/左投左打/静岡学園高)
東海地区大学野球連盟で注目を集めているサウスポー。高校時代は無名だったが、大学で大きく成長し、大学日本代表候補合宿にも召集された。140キロ台中盤のストレートと鋭く変化するカットボール、スライダー、チェンジアップを武器に三振を量産する。この秋はさらにスピードアップし、最速150キロもマークした。
タイプ診断:#地方リーグの星 #ドクターK▼25位:山口廉王[投手・仙台育英高](前回順位:24位)
(やまぐち・れお/右投右打)
今年の東北を代表する大型右腕。昨年夏まではベンチ外で、秋も早々に敗退したが、冬の間に大きく成長し、春には最速151キロをマークして話題となった。左足を高く上げ、倒れ込むようにして投げ込むフォームは迫力十分。193cmの長身ながら変化球の使い方が上手いのも持ち味だ。
タイプ診断:#ダイナミック #スケール大
▼24位:坂口翔颯[投手・国学院大](前回順位:23位)
(さかぐち・かすが/右投右打/報徳学園高)
東都一部で通算10勝を誇る右腕。1年秋には最優秀投手とベストナインを受賞し、3度出場した全国大会でも見事な投球を見せている。高い位置から縦に腕が振れ、140キロ台中盤でも空振りを奪えるストレートが持ち味。今年の秋は肘の怪我で出遅れたものの、リリーフとして復帰し、復調ぶりをアピールした。
タイプ診断:#先発タイプ #ボールの回転◎
▼23位:佐藤柳之介[投手・富士大](前回順位:34位)
(さとう・りゅうのすけ/左投左打/東陵高)
北東北リーグを代表するサウスポー。伊藤将司(阪神)を彷彿とさせるフォームで、140キロ台前半でも空振りがとれる。カーブ、チェンジアップなど緩いボールで緩急をつけるのも上手く、試合を作る能力も高い。春は大学選手権出場を逃したが、秋は抜群の安定感を見せてチームを優勝に導いた。
タイプ診断:#見づらいフォーム #安定感▼22位:高橋幸佑[投手・北照高](前回順位:26位)
(たかはし・こうすけ/左投左打)
北海道ではナンバーワンの呼び声高い本格派サウスポー。U18侍ジャパンの強化合宿で最速146キロをマークして注目を集めると、この夏は34回1/3を投げて2失点、44奪三振と見事な投球を見せた。バランスの良いフォームで、ストレートの勢いは高校生ではトップクラス。夏に引退後も順調にレベルアップし、成長ぶりを確認するために視察しているスカウトも多いという。
タイプ診断:#本格派左腕 #赤丸急上昇
▼21位:寺西成騎[投手・日本体育大](前回順位:14位)
(てらにし・なるき/右投右打/星稜高)
中学生時代から評判になっていた大型右腕。高校では怪我に苦しんで目立った実績を残せず、大学でもリハビリに時間を費やしたが、3年春に鮮やかな復活を果たした。欠点のないスムーズなフォームから150キロ前後のストレートと140キロを超えるスプリットを操り、制球力の高さも光る。今年は春、秋ともに怪我で出遅れ、なかなか本来の投球を見せられていないが、能力の高さは折り紙つきだ。
タイプ診断:#スーパー中学生 #怪我から復活
文●西尾典文
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
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