【ドラフトでDeNAが狙うべき選手】1、2位で即戦力投手を確保して弱点をグレードアップ。成長著しい野手陣にはスケールの大きな長距離砲候補を<SLUGGER>

 いよいよ10月24日にプロ野球ドラフト会議が行われる。各チームの育成状況や弱点を踏まえた上で、「誰を指名するか」ではなく「誰を指名するべきか」という観点からドラフトを展望する。3年連続Aクラス入りを果たしたDeNAはどのような戦略で臨むべきだろうか。

【基本方針】
バランス型

【補強ポイント】
●奪三振能力の高い先発投手
●球威があって故障しにくいクローザー
●伸びしろが大きい素材型野手

【理想の指名】
1位:中村優斗(投手/愛知工業大)
2位:吉田聖弥(投手/西濃運輸)
4位:森駿太(内野手/桐光学園高)

 今永昇太とバウアーの退団により、開幕前の下馬評は決して高くはなかった今季のDeNAだが、東克樹が昨季から継続して32試合連続QSを達成するなどエースとして結果を残した他、打撃好調で打ち勝つ展開が多く、何とかAクラスに滑り込んだ。

 中でも20代前半~中盤の若手野手の台頭が目立ったのは大きい。捕手は山本祐大が正捕手として定着。二軍では松尾汐恩が順調成長を遂げ、、来年から一軍定着が期待できる。外野手も昨年ドラフト1位の度会隆輝や梶原昂希、蝦名達夫の台頭で長期的な展望が見えてきた。遊撃手は今年も固定できなかったが、森敬斗が9月以降に3割以上の打率を記録するなど、今後の見通しは決して暗くはない。
  しかし、その一方で投手陣は伸び悩んでいる。これまでチームを支えてきた主力投手たちが30代に入った一方、若手の成長は停滞気味で世代交代が進んでいない。今季、顕著な活躍を見せた若手先発投手は石田裕太郎と吉野光樹の2人くらい。リリーフもシーズン通して投げ切った者がいない。

 従って、今年のドラフトは投手中心で臨むべきだろう。補強ポイントや本人の特性を考えると、今のチームに最もフィットしているのは中村優斗(愛知工業大)だ。最速159キロの右の剛腕で、大学1年春から大きな故障もなく主力投手として活躍を続けている。安定して150キロ中盤を投げられる球の強さやスタミナは大学生でも最高クラスだ。ストレートだけでなく、スライダーやフォークなど変化球のキレも良く、先発ならエース、リリーフならクローザーを任せられるポテンシャルを持っている。

 中村の他にももう1人、早めに戦力として定着できそうな投手も欲しい。今年の都市対抗で好投した左腕の吉田聖弥(西濃運輸)は、主にストレートとチェンジアップの緩急が武器で、高い奪三振能力を誇る。右の中村、左の吉田で投手陣の底上げが期待できる。

 野手に関しては、前述の通り20代の若手が順調に出てきているので、即戦力型よりは伸びしろが大きい素材型の選手が良いだろう。そこでお勧めしたいのが森駿太(桐光学園高)だ。大型の体格で本塁打を量産できるパワーを備えているだけでなく、脚力もあってショートやサードを守っている。2年生時には、当時神奈川でも屈指の好投手だった横浜高の杉山遙希(現西武)からホームランを放った実績もあり、育成しがいのある選手だ。

文●ハマノンタン

【著者プロフィール】 
横浜生まれ横浜育ちのベイスターズファン。若手の活躍が何よりも嬉しく、毎日二軍のチェックは欠かさない。前向きな応援と冷静な分析が信条。X(旧twitter)・noteで活動中。

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