オートポリスで行なわれているスーパーGT第7戦。天候不良で土曜の走行がキャンセルされたことにより、日曜に予選・決勝を行なうワンデー開催となったが、予選でGT500のポールポジションを獲得したのは24号車リアライズコーポレーション ADVAN Zだった。アタックを担当した名取鉄平にとっても、今季GT500に昇格して初めてのポールと、嬉しい瞬間となった。
しかし予選後の名取は笑顔を見せながらも、やや悔しそうにも見えた。彼はポールを決定付けたアタックの翌周でミスがあり、タイム更新のチャンスを逸していたのだ。
30分の計時セッションとなった予選の残り5分で1分33秒162というタイムをマークした名取は、次の周でもセクター1、セクター2で区間ベストを刻んでいた。本人曰く、コンマ5秒ほどベストタイムを縮められるような感覚があったという。しかしフラットスポットを作ってしまったようで、セクター3でアタック中断。その後23号車MOTUL AUTECH Zが1分33秒243、14号車ENEOS X PRIME GR Supraが1分33秒326と肉薄したが、辛くも1番手の座を守り切った。
「あまりポールを獲れる気はしていませんでした」
公式中継のインタビューで、開口一番そう語った名取。ミスがあったと切り出し「最後の方もあとコンマ5秒くらい縮められそうでしたが、フラットスポットを作ってしまいました。そういう意味では成熟したドライバーにならないと、と思いましたね」と続けた。
名取のアタックについては近藤真彦監督も「もう1周速いラップがありましたが、そこを(ミスなく)クリアしたら完璧で、ぶっちぎりの1位だったと思います」と言及。しかし「でも、立派だったと思う」とGT500ルーキーを労った。
また名取のチームメイトである松田次生も「とにかく、名取選手は良い仕事をしてくれました」と称賛。レースの展望については次のように語った。
「今日は近藤監督に優勝をプレゼントしたいです。ただやっぱり、名取選手もウォームアップがキツそうだったので、そこは少し懸念材料ですね」
「とはいえ走れば速そうなので、レースはポジティブ。もう少し日が出ることを期待しています」