「とんでもない夜だった」ウルブズからニックスへ電撃移籍のタウンズが“運命の日”を回想「連絡がなかったんだ」<DUNKSHOOT>

 現地時間10月18日(日本時間19日、日付は以下同)、ニューヨーク・ニックスのジェイレン・ブランソンとジョシュ・ハートがホストを務めるポッドキャスト番組『Roommates Show』の最新エピソードが公開された。

 プレシーズンマッチを4勝1敗で終え、22日のレギュラーシーズン開幕初日に昨季王者ボストン・セルティックス戦を控える中、ゲスト出演したのは今オフにトレードでニックスへ加入したカール・アンソニー・タウンズ。

 213cm・112kgのビッグマンは、NBA入りから9シーズン過ごしたミネソタ・ティンバーウルブズから3チーム間トレードでニックスへ移籍。最初に報じられた9月27日のことを、こう明かしていた。

「とんでもない金曜の夜だった。長い1日になったね。あの日僕は(チームの練習)施設にもいて、ワークアウトをしていた。その時点ですべてが順調のように思えたのに、夜になって急変した。そんな1日だった」
  この日、米スポーツ専門メディア『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者が最初にこの大型トレードが進行中とソーシャルメディアで報じたものの、タウンズは自身のX(旧Twitter)アカウントで「…」と投稿するほど衝撃的なものだった。

 事実、タウンズがニックス行きを知らされたのは、世界中へそのトレードトークが拡散されるわずか4分前のことだった。現在は米スポーツ専門局『ESPN』でシニアNBAインサイダーを務めるシャラニア記者の速さに驚くとともに、タウンズはウルブズのバスケットボール運営部代表ティム・コネリーからトレードの通達をされていなかったため、当時の心境をこう口にしていた。

「連絡がなかったんだ。で、ティムが僕の家にやって来て、面と向かって『君はトレードされた』と言ってきた。直接伝えてくれたことにはリスペクトしている。こうして起こったことに対して辛い状況ではあったけどね。けど起こるべくして起こった。彼のことはリスペクトしないといけないね」

 タウンズは2022年に結んだ4年2億2400万ドル(当時のレートで約318億800万円/4年目はプレーヤーオプション)のスーパーMAX契約が今季から適用される状況にあった。
  その上、昨季プレーオフでウルブズはウエスタン・カンファレンス決勝まで勝ち上がっていたのだから、タウンズが「ここで引退することになるだろうと思っていた。キャリアの中でずっと、ホームと呼べる場所になるんだろうと思っていたんだ」と言うのも頷ける。

 だがトレーニングキャンプ開始直前の10月2日にトレードが正式に成立し、ニックスへ移籍することに。ウルブズ時代にトム・シボドーHC(ヘッドコーチ)の下でプレーした経験があったことはプラスながら、開幕まで1カ月を切った時点で新チームへ入団するのだから、順応するまで時間を要してしまうことは否定できない。
  それでも、28歳の先発センターはプレシーズンマッチ4試合へ出場し、平均25.5分のプレータイムで18.3点、11.0リバウンド、1.5アシスト、1.5スティールをマーク。フィールドゴール成功率37.5%、3ポイント成功率17.4%については要改善も、フリースローは平均7.8本獲得して6.8本を決めており、成功率87.1%とショットのうまさは健在だ。

 ブランソンとハートにミケル・ブリッジズ、OG・アヌノビーら好タレントを擁するニックスで、攻守両面で貢献できるタウンズはイースタン・カンファレンス、そしてリーグ全体の脅威となる可能性を大いに秘めている。

文●秋山裕之(フリーライター)

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