現地時間10月20日(日本時間21日、日付は以下同)、米メディア『Clutch Points』に、バロン・デイビス(元ゴールデンステイト・ウォリアーズほか)の単独インタビューが公開された。
NBAキャリア13シーズンでオールスターに2度選ばれた191cm・96kgのポイントガードは、持ち前のパワーとクイックネスを発揮して通算835試合で平均16.1点、3.8リバウンド、7.2アシスト、1.83スティールをマーク。
そのうち、ウォリアーズには2004-05シーズンの途中から2007-08シーズンまで3年半在籍。227試合に出場して平均20.1点、4.4リバウンド、8.1アシスト、2.05スティールの成績を残した。
在籍中にプレーオフへ駒を進めたのは2007年のみながら、ドン・ネルソンHC(ヘッドコーチ)の下で超攻撃的チームを作り上げたこの年のウォリアーズは、ウエスタン・カンファレンス8位の42勝40敗(勝率51.2%)をマーク。リーグベストの67勝15敗(勝率81.7%)で第1シードに入ったダラス・マーベリックスを4勝2敗で撃破する大番狂わせを演じてみせた。
カンファレンス・セミファイナルこそユタ・ジャズ相手に1勝4敗で敗れたとはいえ、マブズ相手の“アップセット”はインパクト絶大。そのチームにおいて、デイビスはスティーブン・ジャクソンやジェイソン・リチャードソン、マット・バーンズらとともに主軸を務めた。
2015~22年までの8シーズンで4度のリーグ制覇を成し遂げた現ウォリアーズは、スティーブ・カーHCの下、ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンのビッグ3を中心に王朝を構築。
もっとも、昨季はウエスト10位の46勝36敗(勝率56.1%)でレギュラーシーズンを終え、サクラメント・キングスとのプレーイン・ゲームを落としたことで、3年ぶりにプレーオフ不出場。さらにオフにはトンプソン(現マブズ)、クリス・ポール(現サンアントニオ・スパーズ)、ダリオ・シャリッチ(現デンバー・ナゲッツ)が退団した。
今季のウォリアーズを優勝候補に挙げる識者は皆無に等しく、プレーオフ出場を危ぶむ声もあるが、デイビスは「たくさんの人たちを驚かせてくれると期待している」と語っている。「昨年(の順位)を見れば、彼らはプレーイン・チームだったんだと思う。だけど浮き沈みの激しいローラーコースターのシーズンを経験しながら、(プレーオフまで)3、4ゲーム差だったじゃないか。
第5シードまで4ゲーム差だったんだ。今年のチームは昨年よりも良くなる可能性がある。このチームにはさらにタレントが揃ったから、フレッシュかつ、いいエナジーを持ったウォリアーズになると思う。それに若手たちがより大きな責任をもってプレーすることになる」
デイビスが指摘したように、昨季のウエストは4位のロサンゼルス・クリッパーズ(51勝31敗/勝率62.2%)から10位のウォリアーズまで7チームが5.0ゲーム差の大混戦で、5位のマブズ(50勝32敗/勝率61.0%)とウォリアーズはわずか4勝差だった。
グリーンの相次ぐ出場停止処分に揺れ、トンプソンとアンドリュー・ウィギンズの不調で多くのラインナップ変更を余儀なくされたチームは、3点差以内で決着した15試合で4勝11敗と大きく負け越し。10点以上のリードを奪いながら逆転負けを喫する展開も目立つなど、勝ち切れない試合も続いた。
とはいえ、それでも最後までプレーオフ争いを演じることができたのは、彼らの底力と言っていい。バディ・ヒールドやディアンソニー・メルトン、カイル・アンダーソンといった新顔、そしてジョナサン・クミンガにブランディン・ポジェムスキー、トレイス・ジャクソン・デイビスら伸び盛りの若手を有するウォリアーズは、デイビスの言うように“昨年より良くなる”ことができるのか。新シーズンは10月23日、敵地でのポートランド・トレイルブレイザーズ戦から幕を開ける。
文●秋山裕之(フリーライター)
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