昨季レギュラーシーズンをリーグ1位の64勝18敗(勝率78.0%)で終え、プレーオフでも16勝3敗と圧倒的な強さで、2008年以来16年ぶり18度目のNBA王者となったボストン・セルティックス。
チームはジョー・マズーラHC(ヘッドコーチ)の下、ジェイソン・テイタム、ジェイレン・ブラウンという生え抜きコンビの周囲に、ドリュー・ホリデーやクリスタプス・ポルジンギス、デリック・ホワイト、アル・ホーフォードら優秀な人材を揃えて名門復活を果たした。
今夏にはテイタムとホワイト、サム・ハウザーと延長契約を締結したほか、控えのゼイビア・ティルマン、ルーク・コーネットとも再契約。今季も同等の戦力を維持しており、優勝候補に挙げられている。
そんななか、10月21日(日本時間22日)に米メディア『Andscape』へ公開されたインタビューで、今季で在籍8年目を迎えるテイタムがこれまでのキャリアを次のように振り返った。
「俺は2017年にドラフトされた。その後息子も(ボストンで)生まれたし、最初の車もここで買った。この組織やこれまで出会ったコーチたち、それにフロントオフィス、警備員たち、トレーナー陣、シェフ、ファン、(TD)ガーデンで働く人たち、ボールボーイたちを尊敬しているし、愛している。7、8年間をかけて彼らとの関係を構築してきたんだ。今さらそれをやり直したり、彼らを残してここから離れるなんて想像もできないよ」
19歳でセルティックスに入団したテイタムは3年目にオールスターに選ばれ、2022年のプレーオフではカンファレンス・ファイナルMVPを獲得。同年にチームはNBAファイナルで敗退したが、26歳となった昨季に自身初の頂点に立った。今夏に5年のスーパーMAX契約を締結したフォワードは、輝かしい歴史を持つ球団で自身の足跡を残すチャンスがあることに感謝していた。
「自分の道を歩めていることに感謝している。さらに嬉しいことに、彼ら(セルティックス)も俺のことを必要としてくれた。セルティックスのレガシーを構築する手助けができる痕跡を残してきたんだと実感している。(長い歴史のある球団で)小さな部分ではあるけど、自分もその一部になっていると感じているよ」
今季のセルティックスはNBAの他球団から追われる立場になる。全チームが、“チャンピオンチームを倒してやる”と、躍起になって挑んでくるだけに、長丁場のシーズンで連敗や黒星先行に陥る時期も出てくるかもしれない。
それでも彼らはテイタムとブラウンが中心となって築き上げてきた強固なケミストリーと経験がある。年々万能性に磨きをかけているエースは、リーグ屈指の名門を1968、69年以来となる連覇に導くことができるか注目していきたい。
文●秋山裕之(フリーライター)
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