「クソみたいな話は聞きたくない」KGが“連戦欠場”発言のエンビードに苦言「バスケットボールをするのが俺たちの仕事だ」<DUNKSHOOT>

 今季のフィラデルフィア・セブンティシクサーズはジョエル・エンビードとタイリース・マキシーのコンビに、完全フリーエージェントでポール・ジョージが加わり、豪華なビッグ3を完成させた。

 そのほかにもチームは今夏にケイレブ・マーティン、エリック・ゴードン、アンドレ・ドラモンドら実力者を次々と獲得。1983年以来の優勝に向けて期待は高まっているが、大黒柱エンビードの“2日連続ゲームは欠場する”発言にレジェンドが苦言を呈している。

 2014年のドラフト全体3位指名でシクサーズ入りしたエンビードは、最初の2シーズンは右足のケガで2度の手術を経験し、全休を余儀なくされた。しかし、2017-18シーズンからは7年連続で平均20点、10リバウンド以上をあげ、オールスターにも連続選出。21-22シーズンには平均30.6点で自身初の大台突破、翌22-23シーズンには平均33.1点で初の得点王に輝くとともに、オールNBA1stチーム選出、シーズンMVP受賞を果たした。

 昨季もオールスター前まで平均35.3点、11.3リバウンド、5.7アシスト、1.1スティール、1.8ブロック、フィールドゴール成功率53.3%とMVP級の成績を残していたが、半月板を負傷して左ヒザの手術を受けるなど、球宴前の時点で20試合を欠場。

 23-24シーズンから施行された新労使協定で、「シーズンMVPやオールNBAチームなどの個人賞を受賞するためには、最低65試合に出場しなければならない」との条件が追加された。最終的にエンビードは、平均34.7点、11.0リバウンド、5.6アシスト、1.2スティール、1.7ブロックをあげたものの、出場試合が39にとどまったため、MVPを受賞することはできなかった。 今季のシクサーズは強力な布陣で臨むが、来年3月には31歳となるエンビードが「おそらく今後のキャリアでバック・トゥ・バック(2日連続の試合)でプレーすることはないだろう」と発言したことが波紋を呼んでいる。

 08年にボストン・セルティックスでリーグ優勝を経験し、殿堂入りもしているケビン・ガーネット(KG)は人気ポッドキャスト番組『ALL THE SMOKE』で、バック・トゥ・バックの試合に出場回避の意向を示したエンビードを批判した。

「どちらかの試合には出て、両方はプレーしないってことだろ? 冗談じゃない。(レギュラーシーズンは)82試合だぜ。それが求められている仕事だ。練習もしないし、プレーさえもしない。夏もプレーしないのか? そんなクソみたいな話は聞きたくない。バック・トゥ・バックを欠場していいのか?」

 エンビードはキャリア10年間で69試合以上に出場したシーズンは一度もなく、“ガラスのエース”の一面を持つのは間違いない。それでも、同じく殿堂入り選手のポール・ピアースも、「(バック・トゥ・バックに出場しないとなると)自動的に15試合は欠場することになる」と指摘した上で、「(プレーオフの)シード権という観点においては、フィリー(シクサーズ)は不利になると思う。1回戦でボストン(セルティックス)と対戦することになるかもしれない。それは良くないことだ」と警鐘を鳴らす。

 これには、KGも「リーグはこれをちゃんとコントロールしないといけない。(リーグ内の)あちこちで起こっているし、誰も何も見ていないんだ」とチクリ。「バスケットボールをするのが俺たちの仕事だ。全選手からやり抜く力をもっと感じたい。歴史を遡れば、82試合出場することも、2日連続で出場することも当たり前だった。今は本当にクールじゃないね」と苦言を呈していた。

構成●ダンクシュート編集部

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